研究課題/領域番号 |
02404086
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研究種目 |
一般研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
代謝生物化学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
新井 賢一 東京大学, 医科学研究所, 教授 (00012782)
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研究分担者 |
村松 正明 東京大学, 医科学研究所, 教務職員 (50230008)
正井 久雄 東京大学, 医科学研究所, 助手 (40229349)
中山 直樹 東京大学, 医科学研究所, 助手 (80227967)
横田 崇 東京大学, 医科学研究所, 助教授 (50134622)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1991
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キーワード | DNA複製 / Gタンパク質 / シグナル伝達 / プライモソ-ム / キナ-ゼ / サイトカイン / 転写因子 / 受容体 |
研究概要 |
本研究は細胞周期のG1からS期移行の細胞内制御機構について原核細胞の知見をふまえて哺乳動物細胞、特にリンパ球及び血球細胞において検討することを目的とした。1)大腸菌染色体の複製制御:複製開始に関与する、priA依存性φX174型及びdnaA依存性ABC型のプライモソ-ムの機能について以下の点を明らかにした。ColEl型プラスミドの複製において2つのプライモソ-ムは機能的に等価である。また、プライモソ-ム構築部位pasを起点近傍にもつレプリコン(F,R6K,Rtsl)の複製はdnaA要求性で、priA要求性のφX174型プライモソ-ムは必須ではない。一方、dnaAとoriCに依存しない大腸菌染色体のrecA依存性安定DNA合成にはpriA依存性のφX174型プライモソ-ムが関与する。以上から、大腸菌ではABC型あるいはφX174型プライモソ-ムに依存する2種類のレプリコンに大別されることを提唱した。2)酵母細胞のG1/S遷移の制御:DNA複製の開始を負に制御する性フェロモンの細胞内シグナルの伝達の鍵となるG蛋白質のサブユニット(STE4とSTE18)の機能を遺伝学的に検討し、両蛋白質が複合体を形成する可能性を示した。現在両蛋白質の複合体が相互作用するエフェクタ-蛋白質を検索中である。また、染色体複製起点(ARS配列)と相互作用する蛋白質を探索し、保存されたコア配列のTーrich一本鎖DNAに特異的に結合する一連の蛋白質を同定し、その中の100kDa蛋白質をほぼ均一に精製した。現在地の結合蛋白質の精製も進めている。DNA複製の開始を制御すると考えられるCDC7キナ-ゼを増産し、抗体を作製し、その機能についても解析を進めている。3)リンパ球及び血球細胞におけるG1/S遷移の制御:血球細胞のG1/S遷移を正に制御するサイトカインILー3及びGMーCSFの受容体は各サイトカイン特異的なα鎖とシグナル伝達に必要な共通のβ鎖の二本鎖から構成されることを明らかにした。現在これらの受容体が相互作用するチロシンキナ-ゼの解析を進めている。一方、抗原刺激により活性化されたリンパ球はG1/S遷移に伴い種々のサイトカイン遺伝子の転写を誘導するが、本研究では特にGMーCSFの発現に関与する転写因子NFーGM2を同定精製し、それがNFーkB/relのfamilyに属することを明らかにした。また、ILー3とILー4についても転写因子を同定単離した。
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