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1992 年度 実績報告書

膜蛋白SecYのポリペプチドトランスロケーター機能の追求

研究課題

研究課題/領域番号 02404087
研究機関京都大学

研究代表者

伊藤 維昭  京都大学, ウィルス研究所, 教授 (90027334)

研究分担者 秋山 芳展  京都大学, ウィルス研究所, 助手 (10192460)
キーワードタンパク質分泌 / タンパク質膜透過 / SecY / SecE / 優性変異 / ペリプラズム / タンパク質のおりたたみ / ジスルフィド結合
研究概要

SecY優性欠損変異の解析から,細胞質領域C5を中心としたC末端側にSecY活性に重要な部位があることを提唱,優性欠損効果を打ち消すような遺伝子内抑制変異の分離・解析などから他の因子との相互作用に関わる部位がSecYの中央部位のC4からTM7にかけての領域に存在する事を示唆した.相互作用領域にマップされるミスセンス変異secY24はSecEとの相互作用を弱めるものである事を,免疫共沈降,可剰SecY24に対するSecEによる安定化効果の喪失から示した.またSecD,SecF,およびその上流に存在するORF12の過剰発現によりsecY変異株の表現型がpositiveまたはnegativeな影響を受け,ORF12にはSecE同様の過剰のSecY安定化効果および以優性欠損secY変異に対するサプレッション効果があった.優性欠損変異に対するマルチコピーサプレッションの解析により新しい遺伝子ydrの産物がSecYと相互作用を持つ事を示唆した.YdrがSecYと相互作用を持つ事を更に,secY24変異株中でydrの過剰発現が著しい分泌と増殖阻害をもたらすこと,ydrの同時過剰生産により過剰生産SecYが安定化されることから示唆した.塩基配列決定によりYdrが181アミノ酸残基よりなる親水性タンパク質であり,C末端が両親媒性αヘリックスをとり得ること,ゆるやかに膜に結合していることを示した.過剰SecYの迅速な分解により細胞内において安定なSecY複合体の存在量が一定に保たれていることを,SecY-LacZα融合体による競合実験で示した.膜蛋白質の“stop transfer"配列の膜へのアンカリング効率が低下したstd変異株を分離し,変異がftsH遺伝子に起こったものであることを示し,そのATPase結合部位が機能に重要である事,FtsHが蛋白質膜透過自体にも役割を持つ事等を明らかにした.

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] Kamitani,S.,Akiyama,Y.,and Ito,K.: "Identification and characterization of an Escherichia coli gene required for the formation of correctly folded alkaline phosphatase,a periplasmic enzyme." EMBO J.11. 57-62 (1992)

  • [文献書誌] Ueguche,C.,and Ito,K.: "Multicopy suppression:an approach to understanding intracellular functioning of the protein export sys-tem." J.Bacteriol.174. 1454-1461 (1992)

  • [文献書誌] Shimoike,T.,Akiyama,Y.,Baba,T.,Taura.T.,and Ito,K.: "SecY variants that interfere with Escherichia coli protein export in the presence of normal secY." Mol.Microbiol.6. 1205-1210 (1992)

  • [文献書誌] Ito,K.: "SecY and integral membrane components of the Escherichia coli portein translocation system." Mol.Microbiol.6. 2423-2428 (1992)

  • [文献書誌] Taura,T.,Ueguche,C.,Shiba,K.,and Ito,K.: "Insertional disruption of the nusB gene leads to coldsensitive growth and suppression of the secY24 mutation." Mol.Gen.Genet.234. 429-432 (1992)

  • [文献書誌] Akiyama,Y.,Kamitani,S.,Kusukawa,N.,and Ito,K.: "In vitro catalysis of oxidative folding of disulfidebonded proteins by Escherichia coli dsbA(ppfA)gene product." J.Biol.Chem.267. 22440-22445 (1992)

  • [文献書誌] Akiyama,Y.,and Ito,K.: "Folding and assembly of bacterial alkaline phosphatase in vitro and in vivo." J.Biol.Chem.268. (1993)

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公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

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