研究概要 |
瞬間マルチ測光式分光光度計(内訳:本体IMUCー7000SP,プロッタ/プリンタ,デ-タ処理装置,Xeランプハウス,同電源)が平成2年12月25日に約2ヶ月遅れで納入されたが、試作品のためやむを得ないと考える。直ちに、本システムを配置するための実験台を設計し、理学部木材工作室にて製作した。本体分光光度計に付属するための光学ベンチを設計し、金属工作室にて製作した。さらに、レンズホルダ-,偏光プリズム保持器を設計し、物性学科試料工作室において製作した。今後、恒温水巡環型セルホルダ-及び連続試料溶液注入型の電気二色性用試料セルを設計・製作すると共に本光学系に最適のレンズ系を選択し、瞬間マルチ分光光度計に対し効率良く透過光を入射すべく試行する予定である。つぎに、電気シャッタ-回路製作,コンピュ-タソフトウェアの製作とテストを行い、全計測システムを新キャンパス移転までに完成したい。 一方、既存の設備を活用し、本研究課題と関連するものとして二重らせんを形成するPolyA・PolyA、PolyC・PolyC,PolyI・PolyC,PolyA・PolyU,PolyG・PolyCの超音波照射と反転パルス電気複屈折を中心とする溶液物性の研究(第39回高分子学会年会(1990)において3件発表)を行った。つぎにホモ二重鎖PolyA・PolyAとPolyC・PolyCの電気二色性スペクトルについての研究成果を公表した(第5回日化生体機能関連化学シンポジウム(1990))。さらに,上記5つのうち二重鎖ヘテロリボ核酸のらせん構造は溶液中において、所講Aー型構造に近いことを電気二色性スペクトルの詳細な解析の結果から決定した(第28回日本生物物理学会年会(1990))。共同研究者及び岡山大歯学部の野地博士の協力を得て、大腸菌由来プラスミド(pUC19)の抽出・精製を行い,この試料の電気二色性・電気複屈折の測定を行った。目下、溶存状熊における捻れ構造(超らせん構造)の解明を遂行している。
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