研究課題/領域番号 |
02451008
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研究機関 | 国立西洋美術館 |
研究代表者 |
雪山 行二 国立西洋美術館, 学芸課, 主任研究官 (90124205)
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研究分担者 |
越川 倫明 国立西洋美術館, 学芸課, 研究員 (60178259)
中村 俊春 国立西洋美術館, 学芸課, 研究員 (60198223)
高橋 明也 国立西洋美術館, 学芸課, 主任研究官 (90141994)
幸福 輝 国立西洋美術館, 学芸課, 主任研究官 (00150045)
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キーワード | カロ / マニエリスム / 版画 |
研究概要 |
前年度に行なわれた西洋美術館の所蔵になるカロ作品の整理分類にもとづきながら、今年度はより広い視点に立って、カロの版画に表現された様々な主題ごとの研究が進められた。雪山はベラスケスについての調査をまとめる一方、特に17世紀スペインの静物画についての調査を進め、その一部を発表した。幸福はネ-デルランドの肖像画背景をなす風景描写の問題を取り上げ、また、カロの《ブレダの攻囲》に典型的にあらわれた地図と風景が結び付いたかのような表現形式についての研究を進めた(但し、これは現在執筆中である)。また、中村はレンブラントにおける工房の役割と彼が弟子たちに与えた影響について詳細な論文を発表した。高橋は来年度(平成4年10月)に開催される予定の『フランス素描展』(これにはカロの素描も数点含まれる)の準備のためパリ国立美術学校との具体的な交渉に入り、すでに、原稿の執筆、翻訳に取りかかっている。また越川もメディチ家の祝祭とカロの版画との関わりについての調査を断続して行なった。 このように、今年度もどちらかといえばカロを直接に論ずるというよりは、その周囲の画家や芸術動向に目が向けられたきらいがないわけではないが、すでに何度か研究会ももたれており、来年度の研究成果公表に向けての準備は整備されつつあるといえよう。
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