研究課題/領域番号 |
02451010
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
丸山 欣也 東北大学, 文学部, 教授 (10004053)
|
研究分担者 |
桐田 隆博 東北大学, 文学部, 助手 (20214918)
真覚 健 東北大学, 文学部, 講師 (40199675)
遠藤 光男 光星学院八戸短大, 助教授 (90185166)
|
キーワード | 顔 / 全体と部分 / 情報処理 / 表情 / 眼球運動 / 倒立顔 |
研究概要 |
1.顔の知覚では、(1)全体の知覚(部分の統合)、(2)部分の知覚、(3)全体→部分、部分→全体の2つの作用効果、(4)部分間の作用効果の4つの側面に考察のスポットを当てることができる。これらについて我々の実験例に基づいて考察を加え、今後の研究に方向づけを与えた(丸山論文)。 2.倒立顔では著しく全体印象の読みとりがそこなわれる。目眉の部分が手掛りとして重要になり、輪郭の役割は後退する。この知覚の方略と視線走査との関連を調べたところ、正立顔では広く輪郭にまで視線は届くものの、倒立顔では目眉に集中することが多く、眼球運動範囲は狭くなりがち。知覚方略の違いを眼球運動走査の違いから再度分析中。 3.市販の眼球運動測定方法では操作に手間がかかるので、購入備品のQuikーMAGで黒目の重心を追跡する新しい方法を試みている。基本的には可能という確証は得た。 4.顔の情報処理モデルの検討ー既知顔・未知顔の同定に対して、表情の効果が多少なりとも現れることをつきとめた。既成のモデルでは、どの表情顔も完全に正規化され表情が除かれてから既存の顔認識ユニットにおける表象とマッチされる、となっているが、この顔認識ユニット内の表象も完全に表情は除かれてないとみるべきであろう。顔パタンはそうでないパタンよりも検出感度がよいようで、パタン処理の初期段階でも顔刺激の効果がみられるとはどういうことかを考察中。 5.半截合成顔の倒立顔では、ある種のものに全体印象の読みとり悪化がみられない、ー正位・倒立顔の知覚機能差を分析する重要な手掛り? 6.ハッピイ表情の知覚は敏感といわれるが、この点を認知時間閾測定で確認した。しかし露出視野によってはハッピイ顔の認知は遅くなることもあり、左右脳半球の処理様式とのかかわりも予想される。
|