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1991 年度 実績報告書

老年期のニホンザルの行動研究

研究課題

研究課題/領域番号 02451015
研究機関大阪大学

研究代表者

糸魚川 直祐  大阪大学, 人間科学部, 教授 (90027962)

研究分担者 今川 真治  大阪大学, 人間科学部, 助手 (00211756)
金澤 忠博  大阪大学, 人間科学部, 助手 (30214430)
中道 正之  大阪大学, 人間科学部, 助手 (60183886)
南 徹弘  大阪大学, 人間科学部, 助教授 (40030043)
キーワードニホンザル / 老年期 / 老化 / 行動 / 順位
研究概要

(1)野外集団における観察: (1)20歳未満の成年期のメスと20歳以上の向老・老年期のメスの行動を勝山集団において、観察し比較した。成年期のメスは、向老・老年期のメスに比べて、集団成員との社会的な関わり(例えば、毛づくろいをする、他個体の近くに留まるなど)が多い。しかし、向老・老年期のメスが完全に狐立した存在ではない。例えば、自身の血縁系の個体がけんかなどにまきこまけると、それに対して援助行動などを行う。また、運動能力に衰えが目だち始めた老年期のメスであっても、優劣順位の低下は認められない。このように、老化のために不妊になり繁殖能力を喪失した個体も、集団の中で社会的存在として生活していることが明かとなった。 (2)第1位成体オスの行動。24歳の時の交尾期にはまだメスとの交尾が見られたが、1年後の25歳の時の交尾期には全く見られなくなった。また、この1年間に、背骨の曲がり、採食行動の際の前肢の動かし方、歩行様式等に著しい老化の傾向が見出されるようになった。それにも関わらず、このオスは優劣順位第1位を維持している。これは、多くの成体メスが老化に関係なくこのオスに追従するためと思われる。
(2)飼育個体の老化と行動変容: (1)野生由来メスの月経周期が2年間にわたって記録された。一般に、ニホンザルでは交尾期である秋から春にかけて月経周期が現れるが、飼育ニホンザルでも同様の結果であった。しかし、半数以上の個体で、不定期ではあるが夏季に月経が認められた。また、25歳を越える老年期のメスの中に、閉経している個体のいることを確認した。(2)老年期のメスの中には、若い個体に比べて、夜間により頻繁に姿勢を変えるなどの動きを示し、軽睡眠の状態であると思われる。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Itoigawa,N.et al.: "Demographic composition and reproduction parameters of a freeーranging group of Japanese monkeys" Primates. 33. 49-68 (1992)

  • [文献書誌] 糸魚川 直祐: "ニホンザルにおける老化と繁殖行動の変化" 実験動物. 39. 179-183 (1990)

  • [文献書誌] 南 徹弘: "比較発達心理学" ソフィア, (1992)

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公開日: 1993-03-16   更新日: 2016-04-21  

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