研究課題/領域番号 |
02451016
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
吉田 光雄 大阪大学, 人間科学部, 教授 (10028334)
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研究分担者 |
嶋田 博行 神戸商船大学, 商船学部, 助教授 (50162681)
山田 恒夫 大阪大学, 人間科学部, 助手 (70182540)
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キーワード | ファジイ理論 / メンバ-シップ関数 / ファジイ重回帰分析 / ファジイ判別分析 / 海洋志向性 / 感情表出 |
研究概要 |
「あいまいさ」を扱い方法のひとつにファジイ理論を用いる方法があるが、本研究は同理論を心理学の領域に適用し、その応用の可能性を探るものである。研究の主眼は心理学においてフィジイ・デ-タを導入し、それをどう処理するか、という方法論的観点からの興味に基づくものであり、新しいデ-タ処理の理論と技法を開発し、応用することを目的とする。具体的には、まずファジイ多変量解析を展開するための各種アルゴリズムの開発、ならびにコンピュ-タ・プログラムの作成を行う。さらに心理学への応用として、質問紙を用いた調査とその分析を行い、また、人間の表情が示している感情状態をいくつかの尺度における評定値で表わすことにより、ファジイ理論を用いたデ-タ処理において重要であるメンバ-シップ関数の特性を検討する。 これまでに、ファジイ多変量解析の方法として、ファジイ判別分析、ファジイ重回帰分析についてのアルゴリズムを開発し、プログラミングを行った。また、心理学への応用の一環として、海洋志向性(日本人が海をどう評価し、海と積極的にどう関わっているか)についての質問紙調査を行い、そのデ-タに開発したファジイ判別分析を適用して、具体的なデ-タの処理を行った。ファジイ重回帰分析については、共分散分析の拡張として理論を展開し、プログラミングを行った。これら2研究の成果は第22回国際応用心理学会議(於京都市、1990)で報告した。特に海洋志向性の研究は米国及びドイツの心理学教授の関心を引き、オレゴン州立大学(米国)とブラウンシュバイク大学(ドイツ)の心理学教室との共同研究を開始することとなった。現在、アメリカでの調査が終わり、そのデ-タ処理を行っている。 さらに、メンバ-シップ関数の特性を調べるために、大学生の感情表出場面をビデオに録画し、その表情を刺激とした認知実験を行っている。
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