研究課題/領域番号 |
02451016
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
吉田 光雄 大阪大学, 人間科学部, 教授 (10028334)
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研究分担者 |
嶋田 博行 神戸商船大学, 商船学部, 助教授 (50162681)
中村 真 大阪大学, 人間科学部, 教務職員 (50231478)
山田 恒夫 大阪大学, 人間科学部, 助手 (70182540)
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キーワード | ファジイ理論 / メンバ-シップ関数 / フィジイ因子分析 / ファジイグル-プ / 心理学への応用 / 情動カテゴリ- / 表情 |
研究概要 |
ファジイ理論を用いて心理学のデ-タを処理する方法を探索し、これまでに判別分析、重回帰分析などの多変量解析の手法をとりあげ、その理論的展開ならびに応用を試みてきたが、本年度は同理論を因子分析に応用し、ファジイ因子分析の研究を行った。これまでと同様にファジィ・グル-プを想定し、グル-プ毎の因子分析をメンバ-シップ関数を用いて処理する方法を勘案した。 従来の方法であると、因子の安定性(同一性)を検討するとき、様々なグル-プについて分析を行い、その相違を検討するが、ファジイ因子分析を適用すると、グル-プ間の差異を中央に収斂させた形で解くことができ、より均一な因子構造や、目的によっては、よりの差異の強調された因子群が得られることがわかった。 成果は日本心理学会第56回大会(1992.9)において報告の予定である。 また、心理学への応用の具体例として、表情を通した情動カテゴリ-判断のあいまいさについての理論的考察を行った。心理学においては、幸福・怒り・悲しみ、といった情動カテゴリ-が、快ー不快・緊張ー弛緩といったより少数の次元に還元できるかどうかについての論争があるが、この問題は、ファジイ理論のメンバ-シップ関数の考え方を適用することによって統合的視点から理解することが可能となる。つまり、カテゴリ-はカテゴリ-として存在し、同時に、次元を用いることによってそのカテゴリ-間の関係を記述することができるのである。さらに、カテゴリ-と次元、または、メンバ-シップ関数との関係を吟味することによって、発達、比較文化研究をはじめとした様々な研究への発展が可能となることを示唆した。この理論的考察と平行して実証的研究を行うために、現在表情写真の収集を行っている。
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