平成2年度から継続して行なっていた機械可読化作業(深田担当)は完了し基本外来語のデータベースが完成した。 外来語における日本語化規則の適用をデータベースの中のすべての単語について調べ、どの規則がどの単語のどの部分に適用されているのか、という情報をデータベースに入力した。このデータベースを分析することにより、各規則の適用度や一般性を計量化し、教授シラバス作成の基礎とする予定であるが、実際の分析にはまだとりかかっていない。この作業に付随して、従来の日本語化規則を細部にわたって検討し、必要に応じて下位分類などを行ない、日本語化規則自体をさらに厳密化した。 CALL開発については、上記作業が完了しないと本格的に進めることができないが、外来語学習に有効と思われるCALL教材の枠組みを2種類ワークステーション上で開発した。 今年度の研究活動の一部として、外国人による日本語化規則の習得状況を実験により調べた。その成果は、論文「外来語にみられる日本語化規則の習得ー英語話者の調査に基づいてー」にまとめ、学会誌の『日本語教育』に発表した。さらに、初年度に行なった社会言語学的変容のルールに関する研究の成果は、Japanese Studies Association of Australia学会でDo you say/doQku/or/doQgu/?:voicing variation of obstruents observed in loan words in Japaneseというタイトルのもとで発表した。
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