当プロジェクトは外来語の教育への応用に直結する言語学的な基礎研究、教授理論・教授法の開発、CALL(コンピュータによる語学学習支援)システムの開発、を以下の分担に従って三年計画で行なった。 (1)外国語の外来語化における音韻上の変化・表記法・造語法に関する言語学的研究 (2)基本的外来語の選定基準の設定と実際の撰定および適用規基による分類 (3)外来語に関連する音韻・表記・造語規則の機械可読化の研究 (4)外来語の効果的な教授法に関する研究およびCALLシステムの開発 上記(1)の言語学的研究では音韻分析と規則の抽出、表記・造語法の規則の確立を完了した。(2)基本外来語選定・分類では、代表的な初級日本語教科書、20数本のテレビドラマ中に出現する外来語の調査に加えて、語彙使用頻度表などを参考にしながら、基本外来語の選定基準の検討を行なった。(3)機械可読化に関しては、データ入力用のプログラム「外来語入力システム」を作成し、分類された外来語を、付随する情報と併せてパーソナルワークステーション上でデータベース化作業を完了した。さらに、この外来語データベースに機械的処理を施し、各規則についてその適用度を算出した。(4)CALL教材開発に関しては、文字当てゲームに基づくもの1種類および英単語を外来語に変換する練習3種類、合計4種類のプログラムを作成した。各プログラムには、オーサリング機能を設け、学習者のニーズに合わせて教授項目を変更できるように設計した。
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