研究概要 |
本研究における目的は,善光寺の門前町を総合的に明らかにすることである。その結果は次のようにまとめられる。 1.長野市の都市機能における善光寺の社会・経済的役割についての分析を行なった。その結果,現在の長野市においては門前町としての機能の重要性が少なくなり,行政・経済的中枢管理機能の重要性が高まっていることが明らかになった。 2.中世の寺社参詣路の形成およびその機能的役割を解明するために,中世の善光寺を訪れた人々の記録を分析した。 3.善光寺信仰の形成と特質を明らかにするためにアジアを代表する宗教の一つであるヒンズ-教の聖地ベナレスの信仰と長野市善光寺のそれとの比較を行なった。また,イスラム教,キリスト教における巡礼との比較を行なった。 4.善光寺門前町を教材とするためには,国際的・歴史的・地理的視野など多角的な検討が必要とされる。このために,新善光寺についての実地調査を行ない,スライドの作成を行なった。
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