研究課題/領域番号 |
02451049
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研究機関 | 国学院大学 |
研究代表者 |
岡田 莊司 國學院大學, 文学部, 教授 (60146735)
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研究分担者 |
並木 和子 國學院大學, 日本文化研究所, 嘱託研究員
小松 馨 國學院大學, 日本文化研究所, 嘱託研究員
佐藤 眞人 國學院大學, 日本文化研究所, 嘱託研究員 (40222020)
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キーワード | 公祭 / 大中臣氏 / 祭主祈祷 / 石清水放生会 / 顕広王記 |
研究概要 |
本年度(平成四年度)が研究の最終年度であるため、2カ年にわたって進めてきた基礎作業の継続とともに、「まとめ」のための総合研究についても、各自の分担に沿って所期の目的は達成することができた。平安時代の中期・後期(摂関・院政期)に展開する神祇祭祀は国家の体制・機構と深く結びついており、国家公的の祭祀がどのような形態・体制のもとで運営されていったのか。祭祀の主宰者、関与の実態を歴史的推移の過程の中で明らかにすることに努めた。1、摂関院政期における祭祀関係記事をとりあげ検討を加えた。日記の記主の地位・立場によって記述の内容が異なることが明らかにされ、記録を史料として扱うことは十分の史料吟味の注意を必要とすることが理解できた。平安後期から鎌倉期にかけての神祇官関係の記録として重要な『顕広王記』をはじめとする伯家の日記の翻刻作業は人名の特定が難しく遅れたが今後も継続する予定。大中臣祭主関係記事の収集については、当初の目的どおり進めることができ、単行本として刊行できた。2、神社文書の検討については、石清水放生会を研究する過程で石清水文書の宣命など一部を考察するに過ぎなかった。3、写本の撮影収集は国立公文書館内閣文庫・神宮文庫の大中臣氏関係記録を主に集めることができ、祭祀氏族として古代から近世までつづいた大中臣氏(藤波家)の歴史を研究する上で貴重な成果をあげることができた。4、祭礼調査は、主に平安期から盛んになる京都の祭りを中心に、これまで十分に調査できなかった所と、伊勢の祭主遺跡調査に重点をおいて進め、一応の成果があった。こうした基礎作業を進める中で、分担にあたった国家祭祀と神祇祭祀の性格について、貴族に神祇祭祀への関与のあり方、神仏関係、大中臣祭主の地位など、摂関期と院政期の間に大きな相違のあることを互いの研究成果から確認することができた。
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