研究課題/領域番号 |
02451051
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
牧野 修二 愛媛大学, 法文学部, 教授 (20036114)
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研究分担者 |
大櫛 敦弘 高知大学, 人文学部, 講師 (40201967)
藤田 勝久 愛媛大学, 教養部, 助教授 (10183592)
間瀬 収芳 愛媛大学, 教育学部, 教授 (00209462)
若江 賢三 愛媛大学, 法文学部, 助教授 (60136299)
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キーワード | 睡虎地秦簡 / 副葬陶器 / 楚国包山大基 / 関中 / 領域形成 / 秦漢統一国家 / 王号 / 戦国七国 |
研究概要 |
本年度は昨年度に引続き、戦国諸地域の礼制、基葬制、副葬品、水利、交通、行政機構、法制等に関する個別の研究成果を交換しつつ、戦国から秦漢の時代にかけての、社会像を立体化すべく、総合的討論を重ねた。その結果、戦国・秦漢の各地域における礼制や機構にはある種の共通した特徴があったという知見に達した。その特徴は次の2点に要約できる。 1、戦国の中期以降、各国において転換期があり、銅鏡や副葬陶器あるいは領域形成においても大きく変化し、その背後に強力な中央集権的権力の成長があった。ただし、中原に位置する晋と周辺に位置する北方の燕、南方の楚、また新興の秦では、それぞれの地域の実情に応じて、国家のある方を異にしていた。 2、それらの地域的差異は、秦漢統一以後においても解消されきらずに残存し、それが統一国家のあり方を規定し、支配に影響を及ぼしていた。 上の二点はこれまでの中国史研究には見られなかった新たなメルクマ-ルといえる。ただ、遺憾ながら今回の研究では、東方の雄であった斉国については詳述する余裕がなかった。また、総合的な古代社会像の復原という目標に対しては、基礎的文献の史料批判を含む、より多方面からの古代史研究が望まれる。これらを継続的課題として今後とも研究を進展させて行きたい。
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