研究課題/領域番号 |
02451053
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
南塚 信吾 千葉大学, 文学部, 教授 (50055315)
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研究分担者 |
越村 勲 千葉大学, 文学部, 助手 (10178262)
柴 宜弘 敬愛大学, 経済学部, 助教授
下村 由一 千葉大学, 文学部, 教授 (70092062)
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キーワード | 19世紀 / 東欧 / 地方自治 / 地方行政 |
研究概要 |
1)本年度は、地方行政史に関する文献史料としては、19世紀のオ-ストリア=ハンガリ-(ハプスブルク)帝国の地方行政に関する史料を中心に収集した。 2)本年度の研究会は、1990年10月にセルビアとクロアチア、12月にハンガリ-、オ-ストリア、バルカン諸国、1991年2月にチェコ、スロヴァキア、ポ-ランド、ドイツ、3月にブルガリアの地方行政史の研究会を行った。12月は、千葉大学において集中的なセミナ-の形で、また2月は、合宿の形で、研究を深めた。 3)本年度の研究から得られた知見は、つぎのとおりである。 a1989ー90年の東欧の改革の結果、地方自治法が改正され、新しい地方自治体選挙が行われたが、そこに成立した地方自治の特徴は、戦前ないし戦争直後のそれを多くの点で復活させるものである。 b戦前ないし戦争直後の地方自治の特徴は、19世紀の中頃に行われた改革の結果できあがった近代的地方自治制度の特徴を、基本的に受け継いだものである。 c19世紀の中頃に、ほとんどの東欧諸国で、中世以来の地方行政制度が改革されて、近代的な地方自治制度ができあがった。 dポ-ランドではロシア、ドイツ、ハプスブルクの制度が、チェコ、ハンガリ-、クロアチアではハプスブルクの制度が、バルカンではオスマン帝国の制度が強い影響を残している。 eハンガリ-の義賊のような農民の運動、バルカンのザドルガのような大家族共同体、ポ-ランド、チェコなどでの民族運動、ウィ-ンなどでの労働運動の具体的研究には、地方自治の研究が不可欠であることが、ますます明らかとなった。
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