研究課題/領域番号 |
02451059
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
村上 哲見 東北大学, 文学部, 教授 (70005734)
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研究分担者 |
成田 靜香 東北大学, 文学部, 助手 (00237603)
花登 正宏 東北大学, 文学部, 助教授 (60107175)
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キーワード | 詞 / 宋詞 / 文人 / 宋代文人 / 江南文人 |
研究概要 |
1.宋末江南文人の精神的基盤の解明 昨年までの研究で明らかになったように、「文人」なる人間類型は宋代になって完成したといい得る。そして南宋になると、姜白石のようにその類型を極めて純粋なかたちで具現した人物が現われる(昨年度拙論「姜白石詞序説」参照)。これら南宋の文人たちが、宋王朝の崩壊、モンゴル族の元の支配という時代の激動の中でどのように生きたかは、「文人」なる人間類型の解明に重要な示唆を提供していると思う。従来は宋朝への節操を守って遺民となった者と、新王朝に屈従して〓臣となった者という風に単純に分けていたが、それぞれの実態を詳細に考究することによって、彼等の精神的基盤は共通であって、その生き方に差を生じたのは、知識人としての正当な所遇を受ける機会を得たかどうか、また充分な経済的基盤を有したかどうかなどの外的な条件の違いによることを明らかにし、「 〓臣と遺民-宋末元初江南文人の亡国体験」と題する一文にまとめて最終報告の一部とした。 2.宋詞関係文献(詞籍)の調査 昨年に引き続き、日本に伝在する詞籍善本の調査を進めた。「日本収蔵詞籍善本解題、最編類」という標題のもとに、(1)典雅詞、汲古閣鈔本(静嘉堂文庫蔵)、(2)南詞,旧鈔本(大倉文化財団蔵)、(3)汲古閣未刻詞、知聖道斎鈔本(同上蔵)の三種についての調査結果をまとめ、本年4月22〜24日に台北で開催される国際詞学研討会で発表することにしている。 3.三年間(平成2〜4年度)の研究計画の成果のまとめ 三年間にわたる本研究計画の成果をまとめ、最終報告書を作製した。
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