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1992 年度 実績報告書

三国志に記された東アジアの言語および民族に関する基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 02451066
研究機関(財)東洋文庫

研究代表者

河野 六郎  (財)東洋文庫, 研究部, 研究員 (70015303)

研究分担者 石川 重雄  (財)東洋文庫, 研究部, 研究員
武田 幸男  (財)東洋文庫, 研究部, 研究員 (80000579)
松村 潤  (財)東洋文庫, 研究部, 研究員 (90058660)
古屋 昭弘  (財)東洋文庫, 研究部, 研究員 (70165497)
亀井 孝  (財)東洋文庫, 研究部, 研究員 (70017599)
キーワード三国志魏志烏丸鮮卑東夷傅 / 太平御覧 / 册府元亀 / 烏丸・鮮卑 / 貊族 / 韓族 / 〓人 / 倭人
研究概要

最終年度(平成4年度)に行なった研究の成果はおよそ次の通りである。第1年度および第2年度の調査研究の結果、『三國志』 「魏志」の「烏丸鮮卑東夷傅」に記載されている諸民族の大半は、その正体が判明しているが、ただ、「高句麗」を含む「貊族」とそれと密接な関係にあった「〓人」の2民族はその系統が不明であることが分かった。そこで、この2民族について、『三國志』以外の他の関係資料をも参考にし、追究を試みた。その結果、次の4点が問題として取りあげられ、その究明を行なった。
(a)従来、「高句麗語」として考えられたものの中で、朝鮮の史書『三國史記』の「地理志」に伝えられている旧高句麗領の古地名があるが、これらはたしかにその多くは「高句麗語」にちがいないが、それらに混じってむしろ「日本語」に近いものもあることはすでに指摘されて来た。この日本語に近い語彙は「高句麗」の言語ではなく、「〓人」の言語であるらしい。とすると、「〓人」はしまいには「高句麗」に吸収されてしまったが、もとは中国の河北から「貊族」の東方への大移動の波に押されて、中国東北地方から朝鮮半島を南下して行った、おそらく「倭人」が先に日本列島に入る以後に、朝鮮半島に残留した「倭人」と同系の民族であったと思われる。
(b)『日本書記』に伝えられる古代朝鮮の言語は主として韓族の言語であるが、その中には百済の支配階級の「貊族」の言語も僅かに見出される。
(c)『三國志』以降の中国の正史から「高句麗」と「靺鞨」乃至「渤海」の関係を追究し、「高句麗」がツングース族でないことをつきとめた。
(d)現在のツングース民族の分布状況を地図化して言語地理学的に考察した結果、「高句麗」を含む「貊族」はもと旧アジア人の1族であったが、ツングース族との接触でツングース化した可能性を推定した。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 古屋 昭弘: "張自烈と『字彙辯』" 東洋学報. 74-3・4. 97-123 (1993)

  • [文献書誌] 武田 幸男: "文献よりみた伽耶" 伽耶文化展(朝日新聞社). 14-20 (1992)

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公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

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