研究課題/領域番号 |
02451070
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
芝原 邦爾 東京大学, 法学部, 教授 (60030615)
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研究分担者 |
山口 厚 東京大学, 法学部, 助教授 (10107493)
井上 正仁 東京大学, 法学部, 教授 (30009831)
西田 典之 東京大学, 法学部, 教授 (90012509)
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キーワード | インサイダ-取引 / 相場操縦 / 株式公開制度 / 証券取引 |
研究概要 |
1(1)全体として、わが国における証券の不公正取引に関する実情の把握につとめ、焦点となる「インサイダ-取引の規制」「相場操縦の規制」「株式公開制度の改革」の諸問題について具体的論点を明確化する作業を行った。(2)本年度はとくにインサイダ-取引の規制について重点を置き、摘発第一号である「日新汽船事件」を素材として、法適用上・訴追上の問題点を具体的に明らかにした。また、相場操縦の処罰規定については、立証の因難さ、株取引の実情の複雑さに適用の因難さの原因があるが、目的要件に問題のあることを明らかにして、検討課題を明確化した。さらに、株式公開制度の改革に関連しては、改正証券取引法の「5%ル-ル」による株式大量保有に関する情報開示制度が始まったばかりであるので、それにより明らかとされつつある株式取引の実態の一端を把握してさらに問題点を明確化する作業を行っている。 2 1の作業と並行して、外国における証券の不公正取引の規制について調査・検討を行った。その際には、研究分担者を二つのグル-プに分け、ドイツ、アメリカについてそれぞれグル-プ毎に検討を加え、その成果を相互に出し合って討議を行うという方法が採られた。これらの作業は、わが国における問題点の把握に関しても有益であった。 3 1・2の作業により、論点によって進捗状況に差異は存するが、証券の不公正取引に関するいくつかの問題につき、その理論的問題点をかなり絞り込むことができたので、今後はさらに個別の論点について検討を深め、具体的な提言を行うべく考察を行うこととしたい。
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