• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1991 年度 実績報告書

企業間株式持合の経済的影響の分析

研究課題

研究課題/領域番号 02451079
研究機関東京大学

研究代表者

植田 和男  東京大学, 経済学部, 助教授 (90151787)

研究分担者 吉川 洋  東京大学, 経済学部, 助教授 (30158414)
キーワード金融調節 / 窓口指導 / コ-ルレ-ト / ドッジライン
研究概要

日本的な系列取引の金融面への顕著な影響としてメイン・バンク制がある。その結果、日本企業の資金調達行動は借入れに大きく依存したものとなっている。この構造が、日本の金融政策のあり方にどのような影響を及ぼしているか分析した。
分析によれば、日本の金融政策の波及経路は通常の教科書的なメカニズムとはかなり異って、次の二つである。一つは、コ-ルレ-トの操作が、銀行の資金コストを、そして貸出コストを動かすというもの。今一つは銀行の企業向け貸出に直接働きかける窓口指導の存在である。
この二つのメカニズムの重要性は従来からも指摘されてきてはいたが、本研究では、最新の時系列戸析の手法を用いてこの点を示したこと、金融調節メカニズムが変わりつつあると考えられていた1980年代についても伝統的なメカニズムが基本的には作用していたと考えられる点を示したことなどに新しさがある。
また、短期の金融調節においては、コ-ルレ-トが主要な政策目標とするため、ハイ・パワ-ド・マネ-,マネ-・サプライのような通貨供給量は内生変数となることも示された。
この他、本年度はよりマフロ的な金融政策のあり方についても分析を進めた。重要な結果としては、政策に関する意思決定が、景気判断にかなり重点をおいてきたこと。従って景気に関する判断を誤った時に、金融政策自身も重大な誤ちを犯したこと。このような例として、1970年代初めと、1980年代後半における円高期があげられることなどである。
また、日本の金融政策の一つのル-ツとしての戦後初期のドッジライン期の分析も行った。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Kazuo Ueda: "A Comparative Perspective on Japanese Monetary Policy" Conference volume on “Japanese Monetary Policy"Chicago Univ.Press. (1992)

  • [文献書誌] Kazuo Ueda: "Japanese Monetary Policy During 1970ー1989:Rules or Discretion?" Conference Volune on“Inflation in the 1990s". (1992)

  • [文献書誌] 吉川 洋: "戦後インフレ-ションとドッジライン" ビジネスレビュ-. 39. 15-25 (1991)

URL: 

公開日: 1993-03-16   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi