研究課題
近年、企業と地域社会との関わりが重要視されてきている。「コミュニティ・リレ-ションズ」や、“Corporate Citizen"などという言葉をよく耳にするようになってきている。これまで企業は、立地(地域)というものを、ただ原材料や労働力および販売の市場の観点でしか考えてこなかったといえよう。1960年代から70年代にかけての「公害問題」に表れているように、否定的表現をすれば「搾取・収奪の対象しての地域」であったと言えるかもしれない。だが、近年になって、企業と地域社会との関わり方に新しい展開がみられるようになって来ている。「コミュニティ・リレ-ションズ(CR)」や「企業市民(Corporate Citizen)]という概念は、企業と地域社会の統合・同時的発展を目指すものへと転換してきている証左であろう。企業が地域に与える影響としては、以下のような諸点があげられよう。(1)雇用 (2)産業構造 (3)階層構造 (4)行財政 (5)政治 (6)住民生活および生活環境 (7)自然環境(用水、土地、空気など)本年度においては、以上の諸点のうち、(2)産業構造、(3)階層構造、(6)住民生活および生活環境(「企業の地域戦略と組織間関係」、「地方都市開発と環境保全に関する一考察」、「支配構造と企業の性格ー地域と企業の新しい関係を求めてー」など)について、いくつかの新たな知見を得ることができた。
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