研究課題/領域番号 |
02451088
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研究機関 | 帯広畜産大学 |
研究代表者 |
久保 嘉治 帯広畜産大学, 畜産学部, 教授 (40003074)
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研究分担者 |
山本 康貴 帯広畜産大学, 畜産学部, 助手 (90191452)
阿部 順一 帯広畜産大学, 畜産学部, 助手 (90091545)
黒河 功 北海道大学, 農学部, 教授 (90125310)
永木 正和 帯広畜産大学, 畜産学部, 助教授 (90003144)
佐々木 市夫 帯広畜産大学, 畜産学部, 助教授 (70125384)
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キーワード | 加工原料農産物 / 農産物の内外価格差 / 食品加工業の立地 / 加工原料乳の相対的有利性 / 産業連関分析 / 総合生産性指数 |
研究概要 |
研究開始初年度でもあり、既存統計の整理、北海道の全農業協同組合へのアンケ-ト調査による食品加工の現況調査、主要な食品加工施設での聞き取り調査等を実施し、基礎資料の収集による現況把握に努めた。 主題に添った現況把握の過程で得られた知見は以下のとおりである。(1)市場開放が進んでいる畜産物加工品の分野では、加工原料としての調整品輸入が増えるにつれて、原料生産物市場が不活発になってきている上、コスト引き下げ圧力が強くなるため、関連する川上産業への少なからぬ負の波及効果が生じている。(2)加工原料乳生産地域である北海道の酪農は、都府県のそれに較べると、技術効率や大規模経営の生産性の点で優れていて、規模の経済性が存在することが、総合生産性指数の計測から明らかとなった。(3)加工食品のブランド化や品質差別化が進んでいるため、漬物用の原料野菜の生産は契約生産となるとともに、品質規制が強化されている。(4)原料果菜の加工分野では、一村一品運動による刺激で生産に取り組まれる地区が多くなったが、採算性に乏しい面があるも、ブドウ酒やトマト製品などで安定生産の体制にある優良事例もみられる。(5)北海道が主産地をなす原料農産物でかつ鮮度が重要な要素をなす物に、スイ-トコ-ンとホワイトアスパラガスがある。それぞれは40日ないし60日の操業で、加工業側からは工場の操業度確保のためジャガイモや豆類の他、輸入冷凍水産物の加工も、行っている。それ故原料面では輸入物への依存を高め乍ら、国産農産物加工を進めざるを得ず、品種の面でも外国種を使っているので、製品の品質面での優位性は存在せず、市場開放の下では製品面の競争と原料面の共存という、調和点の模索が進められている。(6)めん羊やアンゴラ兎などマイナ-な産物は、国際市場価格変動の影響を直接受けていて、展望を見い出せていないという現状である。
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