研究課題
一般研究(B)
看護技術教育方法の開発を目指したCAI教材「筋肉内注射」の作成および評価を行なった。研究方法および結果と考察の概要について、以下に記す。(1)自作したVTRの調査を看護婦と本学学生に実施し、学習の効果の確認が得られ、撮影機器等の再検討後にCAI用VTRを作成した。(2)視聴覚機器利用の調査を全国看護婦養成機関に実施、265校中、コンピュータの保有施設は80%であり、5年間で大幅な増加がみられた。CAI活用については、教育に有用と思うが65.2%であり使用経験との間に相関が見られ、導入の意志があるが31.9%であった。また、視聴覚メディアへの調査を全国11校4年制看護大学生に実施、560名中、コンピュータ使用経験は77%であり、機器の授業利用では約半数が学習意欲が高まると回答している。(3)CAI作成については、作成するコースウェアの選定への十分な討議、学習者のレディネスの把握、シナリオ作成上の試行錯誤、画面作成上の技術の不十分さや作成支援ソフトの限界など様々な問題と多大な作成時間を要した。更に、作成したCAIを本学学生と教員に試行した結果、有用性の確認と修正の必要性が明かとなった。修正を経て、コースウェア「筋肉内注射」を完成した。(4)作成意図から学習効果の評価を重視し、本学学生を対象に自作CAIの調査を実施した。55名の結果は、認知的領域で学習前後の得点平均値の向上度37.4%と有効性を示し、情意領域では、「楽しい」「面白い」「もっと作ってほしい」「親しみやすい」などの回答が得られた。反面、眼が疲れるなどの反応があった。以上により、作成CAI教材は自己学習の補助を可能とする教材であると考える。本研究における今後の課題は、CAI教材の教育における位置づけと活用、教材としてのより高い教育効果の観点からの評価と新たなコースウェア作成と考える。
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