研究分担者 |
小方 登 奈良女子大学, 文学部, 助教授 (30160740)
相馬 秀廣 奈良女子大学, 文学部, 助教授 (90196999)
戸祭 由美夫 奈良女子大学, 文学部, 助教授 (60032322)
千田 稔 奈良女子大学, 文学部, 教授 (20079403)
船越 昭生 奈良女子大学, 文学部, 教授 (80027531)
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研究概要 |
(1)畿内については,三輪山山麓の地形分類図を作成し,弥生時代以降の地形変化を大和川および支流の流路変化との関連から検討した。その結果,中世の平等寺建設に伴う地形改変の状況が明らかとなった。合わせて,当時の景観について復元を行った。 (2)密着空中写真から得らわれるズ-ム型実体鏡(WILD製APTー2)による高倍率の立体画像を用いて,近世以降の佐賀平野にみられる特異な伝統的家屋景観である「くど造り」と「じょうご谷造り」の分布状態などについて詳細に検討した。その結果,従来指摘されてきた台風の防御対策という気候条件の面のみでなく,海岸平野の形成過程で粘土圏が厚く堆積した当平野の地形・地質条件(土地条件)とも深く関連して形成されたものであることを明らかにした。このことから,ズ-ム型実体鏡を用いて空中写真から高倍率の立体画像を得ることにより,従来に比べてさらに詳細な内容に関する景観復元が可能となることが明かとなった。 (3)石鎚山南麓の山村の林野利用について,撮影時期が異なる3組の空中写真判読により,焼畑・みつまた裁培から育林への景観変化を検討するとともに,現地での資料収集により現在の林野利用現況図を作成した。 (4)衛星画像の解析の分野では,都市開発と土地複覆の変化との関係を検討するために,奈良盆地,東京,多摩丘陵のランドサミットMSSデ-タを購入し,正規化植生指標の画像表示などに関するプログラムを作成した。 (5)歴史地理学と自然地理学的な土地条件との両視点からの情報を重ね合わせた景観復元の可能性に関して,京都盆地西部と鳥取平野における城郭を例として,検討した。 (6)この地,国内各地の空中写真を購入し,先史から近代にかけての景観復元について準備的検討を実施した。
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