ハイパ-メディア・テストシステムの開発研究

1991 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 02451099
• 研究機関: 神戸大学
• 研究代表者: 永岡 慶三 神戸大学, 教育学部, 助教授 (90127382)
• 研究分担者: 城 仁士 神戸大学, 教育学部, 助教授 (40145214)
• キーワード: ハイパ-メディア / コンピュ-タテスト / 教育評価 / マキントッシュ

研究概要

高性能パ-ソナルコンピュ-タ(MacintoshII)上に、ハイパ-メディア技術を活用したテストシステムを開発し、実際的使用上の調査も行った。ここにハイパ-メディア技術とは、ハイパ-テキスト構造とマルチメディア媒体の両機能を合わせ持つ技術とする。
システム開発においては、コンピュ-タシステムの基本機能としての、テスト、構成、テスト実施、テスト結果採点・分析・フィ-ドバックの各機能をハイパ-メディア化し、機能を高度化することを試みた。主に、テスト構成において、ハイパ-テキスト構造の、またテスト実施においてマルチメディア媒体の活用が有効である。特に、テスト実施時において、テスト項目の出題(出力)と解答(入力)に図形、画像、音声を用いることは、従来のペ-パ-テストとは全く異なるテスト環境とそれに基づく教育評価方法の提供が可能であり、注目されるところである。
教科題材としては、設計製図科目におけるテストシステムを開発した。この題材は、本質的に物理的実体を教材対象としている部分があり、したがって非言語情報を扱い、入出力とも図形あるいはアニメ-ション等の機能を必要とする。これをコンピュ-タテストにより評価することで、従来は、計測することのできなかった学力を測定することが可能となった。それは言語表現以外の知識表現による回答能力である。
また、コンピュ-タテストに特有の回答所要時間および回答内容変容デ-タという新情報を、教育評価用の情報として分析、活用する方式を開発した。それらのデ-タ分析手法に関する理論的モデルを提出した。さらに、コンピュ-タ通信を利用して、遠隔地間でのテスト構成・実施のシステムを開発し、実施して動作を確認した。

研究成果

• [文献書誌] 永岡 慶三: "ハイパ-テストシステムの開発" 神戸大学教育学部教育実践研究指導センタ-研究紀要. No.1. 41-61 (1990)
• [文献書誌] 永岡 慶三・宮島 一修: "Macintoshを用いた対語型テスト構成支援システムの開発" 電子情報通信学会技術研究報告. ET90ー140. 45-52 (1991)
• [文献書誌] 永岡 慶三,城 仁士: "コンピュ-タテストにおける予測と実測値デ-タの比較" 電子情報通信学会技術研究報告. ET91ー43. 33-38 (1991)
• [文献書誌] 永岡 慶三,川野 真規子,寺本 由美,藤田 淳子: "テスト項目回答における回答内容の時間的変容に関する分析" 電子情報通信学会技術研究報告. ET91ー102. 23-28 (1991)
• [文献書誌] 永岡 慶三,植野 真臣: "多肢選択式項目における回答選択過程モデル" 電子情報通信学会技術研究報告. ET91ー103. 29-36 (1991)
• [文献書誌] 永岡 慶三,藤原 康宏: "遠隔教育システムにおける教育評価機構の研究開発(I)ー遠隔テスト構成支援機能ー" 電子情報通信学会技術研究報告. ET91ー105. 43-48 (1991)