高性能パーソナルコンピュータ(MacintoshII)上に、ハイパーメディア技術を活用したテストシステムを開発し、実際的使用上の調査も行った。ここにハイパーメディア技術とは、ハイパーテキスト構造とマルチメディア媒体の両機能を合わせ持つ技術とする。 システム開発においては、コンピュータシステムの基本機能としての、テスト、構成、テスト実施、テスト結果採点・分析・フィードバックの各機能をハイパーメディア化し、機能を高度化することを試みた。主に、テスト構成において、ハイパーテキスト構造の、またテスト実施においてマルチメディア媒体の活用が有効である。特に、テスト実施時において、テスト項目の出題(出力)と解答(入力)に図形、画像、音声を用いることは、従来のペーパーテストとは全く異なるテスト環境とそれに基づく教育評価方法の提供が可能であり、注目されるところである。 教科題材としては、設計製図科目におけるテストシステムを開発した。この題材は、本質的に物理的実体を教材対象としている部分があり、したがって非言語情報を扱い、入出力とも図形あるいはアニメーション等の機能を必要とする。これをコンピュータテストにより評価することで、従来は、計測することのできなかった学力を測定することが可能となった。それは言語表現以外の知識表現による回答能力である。 また、コンピュータテストに特有の回答所要時間および回答内容変容データという新情報を、教育評価用の情報として分析、活用する方式を開発した。それらのデータ分析手法に関する理論的モデルを提出した。さらに、コンピュータ通信を利用して、遠隔地間でのテスト構成・実施のシステムを開発し、実施して動作を確認した。
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