研究概要 |
初年度の本年度は,従来の研究で蓄積した成果の再検討と本題に関る基礎的な研究推進のため,次の5項目を設定した。 (1)映像情報と言語情報との認識差と両者の特性についての比較研究 (2)演算課題に対する人間の思考過程と誤りに関する基礎的研究 (3)パソコンのプログラミング並びにキ-操作上の誤りに関する基礎的研究と教授内容に関する研究 (4)従来実施してきた成果を基に,ビデオ教材の製作に必要な知識・技能の精選と教授内容に関する研究 (5)パソコンの学校教育への導入に際し,学校の組織上,また,学習の道具や環境整備の視点から,不可欠な要素を統計的に洗い出し,従来実施してきた成果をレビュ-する。 (1)については,授業の進行を映像情報と言語情報を併用した「キ-場面」の提示によって、どの程度正確に予測できるかを約50名の学生を対象に調査し分析した。(2)については,演算課題でなく,小学生並びに大学生を対象にして,漢字の「読み」と「書き」の能力を測定することによって,人間の情報処理の特性を推定し特筆すべき成果を得た。(3)については,1年間を通じて実施した定期の授業「教育情報処理実習」の受講生約40名を対象に,提示課題のうち,困難であった課題名とその理由,容易であった課題とその理由,文法や分り難かったコマンドなどを自由記述で3件づつ列挙させ,それらを集計し分析中である。(4)については,半年間実施した定期の授業「教育工学」の受講生約50名を対象に視聴覚教材の製作実習を行い,教授内容を整理した。(5)については,日本教育工学会主催の「夏期研修講座」を本学で実施し,全国から研究者,学校教師など30余名が参集して、2日間にわたり情報教育推進のためのカリキュラムについて討論し集約した。
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