研究課題/領域番号 |
02451107
|
研究機関 | 愛知教育大学 |
研究代表者 |
村尾 忠廣 愛知教育大学, 教育学部・音楽教室, 教授 (40024046)
|
研究分担者 |
池上 知子 愛知教育大学, 教育学部・心理学教室, 助教授 (90191866)
多鹿 秀継 愛知教育大学, 教育学部・心理学教室, 助教授 (30109368)
法岡 淑子 滋賀大学, 教育学部・音楽科, 助教授 (30172828)
大西 友信 愛知教育大学, 教育学部・音楽教室, 教授 (10023988)
|
キーワード | 音痴 / 調子外れ / 歌唱障害児 / Vocol pitch matching / poor pitch singer / Tone deat / 声域 / 変声期 |
研究概要 |
昨年、当初研究計画を少し変更したが、今年度はそれにしたがってまずイギリスで開発された歌唱障害児(音痴)の評価、矯正のためのコンピュ-タシステム「SINGAD」を購入した。G.ウェルヒとH.デイヴィッド教授によって開発されたこのシステムは、イギリスの小学校では多大な成果をあげている旨の報告がなされているが、日本で使用するには解決すべき幾つかの問題があった。第1は、「SINGAD」がイギリスの公立学校で多く使用されているBBCコンピュ-タのハ-ドウェアに基づいてプログラムされていることである。日本ではNECのPCシリ-ズのコンピュ-タがもっとも普及しているが、このハ-ドウェアへの移し替えは不可能であることから当面、Atariで使用可能になるよう依頼し、あわせてシステムの向上をはかっていただいた。日本音楽のようなピッチの微妙なゆれの激しい音楽の測定ではシステムをさらに向上させる必要があったからである。 今年度はこのシステムを使って実験を開始した。平成2年度におこなったアンケ-ト調査による歌唱障害の評価とSINGADによる評価を同一被験者についておこなうというのが最初の実験である。実験を開始してみるとまた新たな問題がおこってきた。SINGADは、歌われた音の周波数からこれを音のピッチとして認知してゆくプロセスを周波数の平均値として計算しているが、この点はもう少しプログラム洗練させる必要がある。つまり、客観的な音の外れと、音が外れていると認知されることの間にある差をどう処理するかという問題である。また、送られてきたSINGADはまだペンタトニックと日本のわらべ唄の旋律を区別して反応を求めるということができない。 実験しながら新たに明かになってきたことはその都度、ウェルヒ、ハワ-ド教授に報告し、それによってSINGADを一層洗練されたものにしつつある。研究が遅れてきていることは否めないが、問題を深めることができたと思っている。
|