研究分担者 |
石川 剛郎 北海道大学, 理学部, 助教授 (50176161)
泉屋 周一 北海道大学, 理学部, 助教授 (80127422)
中村 郁 北海道大学, 理学部, 助教授 (50022687)
田中 昇 北海道大学, 理学部, 教授 (80025296)
鈴木 治夫 北海道大学, 理学部, 教授 (80000735)
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研究概要 |
研究代表者を中心として,複素解析幾何学,代数幾何学,特異点理論に関する研究を行った。特に申請研究計画に記した複素解析的葉層構造の特異点の研究に関しては,まず研究代表者が数年前証明した,余次元1の局所葉層構造に対する普遍性定理,有限既定性定理の応用に関するCerveau教授との共同研究が完成し論文としてまとめられた.積分因子を持たない葉層構造芽に関しては,1次開析の同値類の空間の有限次元性から局所的有限既定性が出ることが示され,この問題に関しては,ほぼ最終的な結果を得た.他の応用として,数年前CamachoーLius Netoによって示された3次元空間のある種の葉層構造の特異点の安定性に関し簡単で見通しのよい別証明を与えた.申請書研究計画に記したもう一つの問題である複素多様体上の大域的特異葉層構造に関しては,前に示した特異点集合の構造に関する一般的な基礎定理を用いてその構造をさらに詳しく調べた。また,特異葉層構造に付随したDー加群の解複体に対しては前に大域的な指数定理を得た.この解複体の局所的構造,性質を調べることは重要な問題であるが,一つの試みとして,RaunisとRugetによる多対化複体の構成により,正則関数芽の層のDー入射的な分解を構成し,これを用いて解複体を解析することを試みている。他の方向としては,このDー加群の特性多様体を用いて幾何学的に行う方法があるが,これに関しても準備的考察を始めている.研究分担者による他の結果として,複素射影空間,2次超曲面等の特徴づけ,特異点理論の徴分方程式論への応用に関する種々の結果がある.
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