研究分担者 |
足立 正久 京都大学, 理学部, 助教授 (50025285)
神保 道夫 京都大学, 理学部, 助教授 (80109082)
土方 弘明 京都大学, 理学部, 教授 (00025298)
渡辺 信三 京都大学, 理学部, 教授 (90025297)
池部 晃生 京都大学, 理学部, 教授 (00025280)
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研究概要 |
数理物理の方程式に対し、現代数学的研究を行い、その解及び解空間の数学的構造に関して次の業績が得られた。 1.シュレディンガ-方程式,可解格子模型に対する作用素論的,関数解析的,代数解析的研究:(1)透過型の壁を持つポテンシャルの場合の同方程式に対してスペクトル散乱理論を展開した。更に磁場を持つ同方程式に対して本質的自己共役になるための条件を精密化した。(2)結晶基に対する柏原理論に依拠して、アフィン型量子群の可積分表現の基底を組合せ的に記述し,それによって可解格子模型の一点関数の計算を整理した。 2.流体方程式,弾性体の方程式に対する解析的、計算数学的研究:(1)粘弾性モデル方程式の半無限空間の場合の、周期外力下での周期解の存在を、外力の大きさに制限なしに解析的に証明した。(2)粘性気体の周期ピストン問題において、周期倍分岐,ヒステリシス現象が起っていることが、計算機によって見出された。この解空間の構造を解析することが、今後の課題である。 3.熱方程式,ラプラス方程式に対する確率解析とその応用:(1)Wiener空間上の解析を、無限次元空間における一つの超関数論として定式化した.更にそのMalliavin解析を用いて、熱方程式の基本解の漸近問題を論じ、McKeanーSinger展開や、AtiyahーSinger指数定理の証明に応用した。(2)コヴァリアント・ラプラシァンの固有値の比較定理を、関数解析と確率論を用いて導き、その応用を調べた。 4.力学系,カオス・乱流的現象の、代数的幾何的解析的及び数値解析的研究:(1)区間演算法を基にした保証つき数値計算のためのソフトウェア-の作成、及びそれを用いた常微分方程式の周期解の存在証明を行った。(2)進行波解の存在証明に、分岐理論を用いた。
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