研究課題/領域番号 |
02452007
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
西田 孝明 京都大学, 理学部, 教授 (70026110)
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研究分担者 |
国府 寛司 京都大学, 理学部, 講師 (50202057)
神保 道夫 京都大学, 理学部, 助教授 (80109082)
平井 武 京都大学, 理学部, 教授 (70025310)
渡辺 信三 京都大学, 理学部, 教授 (90025297)
池部 晃生 京都大学, 理学部, 教授 (00025280)
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キーワード | 量子力学の方程式 / 確率解析 / Wiener汎関数 / 無限次元リ-群の表現 / スペクトル理論 / 可解格子模型 / 流体の方程式 / 力学系とカオス |
研究概要 |
数理物理の各種の方程式に、各方向から研究に取組、主に次の成果を得た。 (1)流体方程式関係では、斜面上を流れる粘性流体の自由表面波の問題を扱い、その非線形系の初期値問題の解が、時間大域的に存在する十分条件を得た。(西田,寺本)。その近似方程式に対しては、レイノルズ数の大きさによって、安定な周期的進行波が現れることを示した。(Win).この波は、零解からの分岐によって現れるが、この分岐曲線を数値計算によって追跡すると、周期倍分岐、ト-ラスへの分岐等が、見られる。 (2)精度保証付数値計算の研究を続け、殊にその中で必須である区間演算ソフトウェア-として、富士通汎用大型機(M1800)のFORTRAN77EXで動くものが、作成できた。(吉原)。これを用いて上の分岐曲線を解析的に究明するのが、次の主目標の一つである。 (3)量子力学の方程式、殊にSchrodingen方程式が、透過型の壁ポテンシャルを持つ場合のスペクトル理論を構成した。(池部)。量子力学的3(orN)体系の散乱理論及び全散乱断面積の準古典的挙動が調べられた。(伊藤)。 (4)Wiener空間上の超汎関数論を構成し、熱伝導方程式の基本解を汎関数積分表示して、その漸近理論をこの枠組で展開した。更にDonskerのδ関数の定義の正当性、その正則性をこの理論によって示した。(渡辺)。Wiener空間を含む無限次元空間での解析学の整備、殊にSoboler空間の構成を研究した。(重川)。 (5)無限次元リ-群の表現論の研究(平井)。 (6)可解格子模型の代数解析学的研究、殊に量子群を研究し、それには随する組み紐群の表現を調べた。(神保)。 (7)力学系とその分岐理論の研究、殊にヴェクトル場のヘテロクリニック軌道の分岐理論を精密化し、2パラメ-タ-族において一般的な分岐の分岐集合を与えた。(国府)。これは、ある常微分方程式系に適用すれば、適当なパラメ-タ-の値では、軌道がカオス的であることを示す。
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