研究課題/領域番号 |
02452011
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
天文学
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研究機関 | 国立天文台 (1992) 東京大学 (1990-1991) |
研究代表者 |
小杉 健郎 国立天文台, 電波天文学研究系, 教授 (70107473)
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研究分担者 |
坂尾 太郎 国立天文台, 太陽物理学研究系, 助手 (00225781)
柴崎 清登 国立天文台, 電波天文学研究系, 助教授 (90023689)
常田 佐久 東京大学, 理学部, 助教授 (50188603)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1992
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キーワード | 太陽フレア / 硬X線撮像法 / 硬X線望遠鏡 / すだれコリメータ / フーリエ合成型望遠鏡 / 画像合成法 / 最大エントロピー法 |
研究概要 |
本研究では、第14号科学衛星SOLAR-A(「ようこう」)搭載の硬X線望遠鏡(HXT)の画像合成法の開発、及び画像処理システムの構築をめざしたものである。第1年次(H2年度)には最大エントロピー法を用いた画像合成プログラムを完成し、このプログラムのパラメータ群である「すだれコリメータ」の空間透過率の精密測定を行い、衛星の打ち上げ準備を完了した。第2年次(H3年度)には、8月の衛星打ち上げ以降、このプログラムを実データに適用し、実データに即した改良を加えた。また今年度にかけて、WSを用いた画像処理システムの充実を図りつつ、データ解析・太陽フレアの硬X線源の研究を進め、また92年末までに観測された太陽フレア・データの一部を『データブック』として刊行した。本研究により、以下の成果が得られた。 (1)HXTの基本設計、打ち上げ前の機器較正に誤りがなく、撮像機器として問題なく働くことが確認できた。 (2)今回開発した最大エントロピー法は、HXTのように素子数が少ない場合でも、ほぼ満足できる画像を与えることができる。但し、硬X線源が拡がっている場合に数値計算上の弱点が残っており、改良の余地がある。 (3)太陽フレアの硬X線源は高エネルギー(〜100keV)側で『二つ目玉』構造が基本であり、『二つ目玉』硬X線源の同時性から、フレアで加速された高速電子が磁気ループの両端に降下して硬X線を放射しているとの解釈が正しいことが示された。 (4)太陽フレアの硬X線源の高さは、低エネルギー側で低く、高エネルギー側で高いところに位置する。これも前述の解釈の正しさを支持するものであるが、なお詳細な検討が必要と思われる。
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