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1990 年度 実績報告書

重力多体専用計算機の並列化による恒星系進化の研究

研究課題

研究課題/領域番号 02452012
研究機関東京大学

研究代表者

杉本 大一郎  東京大学, 教養学部, 教授 (10022592)

研究分担者 奥村 幸子  東京大学, 教養学部, 助手 (20224842)
牧野 淳一郎  東京大学, 教養学部, 助手 (50229340)
戎崎 俊一  東京大学, 教養学部, 助手 (10183021)
キーワード専用計算機 / 並列計算機 / 重力多体問題 / 銀河 / 恒星系
研究概要

本年度の目標は非衝突系に使われる低精度試作機GRAPEー1を並列化することであった。
1.並列化に取り組む前に、試作機を次の諸点で拡張・改良したGRAPEー1Aを手作りした。(1)質量を各粒子ごとに変えられるようにし、いろいろな質量の星からなる重力多体系やク-ロン力の作用する多体系も扱えるようにした。(2)近接粒子のリストをホスト計算機に返すようにし、均された粒子による流体力学(SPH)だけでなく、分子動力学における種々の近距離力にも対応できるようにした。(3)力だけでなくポテンシャルの値もホストに返すようにし、計算結果の解析を容易にした。
2.並列化のための回路を設計し、新たに開発した基盤上に自動配線で製作した。GRAPEシステムでそれを利用するためのソフトについては、新たにツリ-構造のアルゴリズムと階層化ア-セス・コ-ドを開発した。
3.並列化するパイプラインについては、最初の計画はプリント基盤を用いてGRAPEー1Aを8個つなぎ2Gflopsの性能を出すことであった。しかし、その後山田科学振興財団から奨学寄付金を受けたので、GRAPEー1AをLSI化し、そのLSIを使う方針に切り換えた。性能を一挙に10倍余りを上げられるからである。予算額の関係上LSI設計製作に共同で取り組んでくれるメ-カ-が決まるまでに時間を要し、計画は遅れぎみであったが、富士ゼロックス(株)電子技術研究所の好意で、約10万ゲ-ト、1個につき0.6GflopsのLSIに作り上げることができた。この科学研究費ではそれを並列接続し、GRAPEー3として組み上げた。その性能は30Gflops相当になる予定であるが、まだ細部にわたる調整とテストの段階にあり、本格的な立ち上げにはさらに数カ月を要する。
4.天文学上の問題については、GRAPEー1Aなどのテスト計算を兼ねて、銀河の衝突、激しい緩和などを研究中。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 杉本 大一郎: "Special Purpose Computer for NーBody Problems" Proc.IAU Symp.No.148,“The Magellanic Clouds and their Dynamical Interaction with the Milkey Way",Reidel Publ.Co.148. (1991)

  • [文献書誌] 牧野 淳一郎: "Error Analysis of the GRAPEー1 SpecialーPurpose Nーbody Machine" Publ.Astron.Soc.Japan. 43. (1991)

  • [文献書誌] 伊藤 智義: "A SpecialーPurpose Computer for Gravitational ManyーBody System GRAPEー2" Publ.Astron.Soc.Japan.

  • [文献書誌] 牧野 淳一郎: "Tree Code with SpecialーPurpose Processor" Publ.Astron.Soc.Japan.

  • [文献書誌] 福重 俊幸: "A SpecialーPurpose Computer for Gravitational Collisionless System GRAPEー1A" Publ.Astron.Soc.Japan.

  • [文献書誌] 牧野 淳一郎: "A Modified Aarseth Code for GRAPE and Vector Processors" Publ.Astron.Soc.Japan.

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公開日: 1993-08-11   更新日: 2016-04-21  

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