研究課題/領域番号 |
02452018
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
湯田 春雄 東北大学, 理学部, 教授 (90108457)
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研究分担者 |
末包 文彦 東北大学, 理学部, 助手 (10196678)
長谷川 勝夫 東北大学, 理学部, 助教授 (70004463)
阿部 浩也 東北大学, 理学部, 助教授 (60004412)
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キーワード | 素粒子 / ベ-タ-崩壊 / 粒子検出器 / ニュ-トリノ / 電子 / イオン・チェンバ- / カロリメ-タ- |
研究概要 |
ニュ-トリノをともわない二重ベ-タ崩壊は、ニュ-トリノ質量と関連するため、多くの研究が行われている。本研究は、 ^<76>Geを含む室温液体TMGを媒体とするイオンチェンバ-を製作し、TMG液体中の ^<76>Geの二重ベ-タ崩壊を検出しようとするもので、そのためTMGイオンチェンバ-からの信号の観測を行った。この種類のチェンバ-は液体の純度0.1ppm以下が要求されるため、初年度は(1)液体の純化、(2)高圧電源および信号読み取り回路、(3)信号観測を主として行った。 信号観測のために、チェンバ-内の平行二極板のカソ-ド極板に ^<207>Biアイソト-プを融着させ、それからの976keV電子線の観測に初めて成功した。このイオンチェンバ-の測定法はパルス測定法と呼ばれ、この方法では世界で初めての観測結果であり、論文として公表した。 しかしながら、今年度の研究を通じて、以下の問題点が明らかになった。 1.液体純化の重要性:要求される液体純度が0.1ppm以下であり、使用するバルブは、総てメタルバルブに取り替えて、初めて信号が確認された。 2.印加高電圧:現在の所、放電によるノイズのため印加電圧は15kV程度であり、種々の対策が必要である。 3.プレアンプ:信号の大きさが、10^<-15>ク-ロン程度であるので、低ノイズ・プレアンプの製作が必要である。平成3年後半にプレアンプの設計・製作を予定している。 4.エネルギ-の分解能:現在のテストチェンバ-では、エネルギ-分解能は8%であり、グリッド挿入によるエネルギ-分解能の向上が必要。平成3年後半にテストを予定している。
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