研究課題/領域番号 |
02452026
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
鷲見 義雄 広島大学, 理学部, 教授 (20029490)
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研究分担者 |
前原 俊信 広島大学, 学校教育学部, 講師 (50190319)
岩田 洋世 広島大学, 理学部, 助手 (20168579)
阪口 篤志 広島大学, 理学部, 助手 (70205730)
杉立 徹 広島大学, 理学部, 助手 (80144806)
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キーワード | ハンブリ-・ブラウン・ツィス効果 / 高エネルギ-重イオン反応 / クォ-ク・グル-オン・プラズマ / 粒子多重発生 / 運動量収束型スペクトロメ-タ |
研究概要 |
本年度5〜6月にセルンで第1回のNA44実験を行った(学術振興会交付経費により3名がセルンに出張してこれにあたった)。この実験は4500億電子ボルトの陽子ビ-ムを用いて陽子・原子核反応を調べるもので、NA44としてはテスト的性格をもつものである。この実験デ-タは磁気テ-プに収めて本学に持ち帰った。本学では、このデ-タを解析するための解析用ソフトウェアを開発し、本格的なデ-タ解析に着手し、まず、NA44実験の中心的検出装置としてさきに本学グル-プの製作したシンチレ-ション検出器系が設計予定通りの性能で作動していることを確認した。またこれによって実験装置が全体として高精度の粒子識別能力をもつことも明らかになった。これらの成果は、同年秋の物理学会および東大原子核研究所における研究会において発表した。 さらに詳しいデ-タ解析を進めて、所期の目標である粒子多重発生反応における二粒子干渉効果のデ-タを得る努力を続けた。また、この間NA44のグル-プ全体会議(米国ロスアラモス研究所)において外国の共同チ-ムとの十分な意見交換と研究打ち合せを行った。この結果、平成3年度はじめには、パイ中間子についての二粒子干渉効果のデ-タを得るのに成功した。本年1月中旬、ピッツバ-グ大学で行われたNA44の第2回全体会議において、この成果を発表するとともに、解析方法の詳細や、今後の方針につき、外国側研究者と詳しい検討を行った。なお、デ-タ解析については、本学グル-プが、外国各グル-プよりかなり先行していることもわかった。 パイ中間子の干渉効果から推定される粒子放出源の大きさは約2fmであること、放出源の大きさは、パイ中間子の運動量にかなり依存すること等がはっきりしてきたので、これらの成果は、本年春の物理学会において発表する予定である。
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