研究課題/領域番号 |
02452033
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
長澤 信方 東京大学, 理学部, 教授 (50004437)
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研究分担者 |
伊藤 正 東北大学, 理学部, 助教授 (60004503)
蓮尾 昌裕 東京大学, 理学部, 助手 (40218433)
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キーワード | 固体分光学 / レ-ザ-分光 / CuCl / 励起子分子 / 非線形光学 |
研究概要 |
本年度は初年度に行った励起子分子の準位の幅の測定の精度を上げるため以下のような改良を行った。 1.本研究で開発している超高分解能非線形分光用光源(実験では偏光回転分光法のポンプ光光源として使用する)システムにおいて、チタン・サファイア・リングレ-ザ-からの光を増幅する色素をOxazine750に変えた。その結果、ポンプ光の強度が増し、安定になった。 2.プロ-ブ光にはエキシマ・レ-ザ-励起のスペクトル幅の広い(240μeV程度)通常の色素レ-ザ-を用いているが、今年度は試料入射前にファブリ-・ペロ-干渉計によって非常に狭いスペクトル幅(3μeV)を持つ光に切り出して使用した。このため、試料に不必要な強い光が入射しなくなり、また測定系の分解能が初年度の16μeVから3μeVと大きく向上した。 3.ポンプ光とプロ-ブ光の幾何学的配置を初年度と変え、完全に波数ゼロの励起子分子の共鳴が観測できるようにした。 その結果、波数ゼロの励起子分子の準位の幅のポンプ光強度依存性が測定され、非常に弱励起においてその幅が24μeVであることが得られた。この値は励起子分子の二光子共鳴に伴う非線形感受率の評価の際にいくつかの仮定を用いて推測された値とほぼ一致しており特に新たな修正の必要のないことがこの直接的な測定により確認されたことになる。 これらの結果については平成4年3月の日本物理学会第47回年会で報告される予定であり、同時に論文に投稿する準備が進んでいる。
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