研究課題/領域番号 |
02452040
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
固体物性
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
大嶋 孝吉 岡山大学, 理学部, 教授 (10114414)
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研究分担者 |
斉藤 軍治 京都大学, 理学部, 教授 (40132724)
山嵜 比登志 岡山大学, 理学部, 教授 (40013495)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1992
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キーワード | フェルミ面 / 磁場誘起状態 / 有機超伝導体 / 電子相関 / シュブニコフ・ド・ハース効果 / ド・ハース・ファン・アルフェン効果 / スピン密度波 / XANES |
研究概要 |
最終年度はこれまでの研究成果の整理と発表にあてられ、新たに発見した系の研究を深めることにあてられた.我々の研究によって得られた成果は主に3つの系についてのものである. 1.BEDT-TTF系 有機物超伝導体の中でも比較的高い転移温度をもつ系であるが、特にK型と呼ばれる構造を持つ系のフェルミ面について、これまで知られていたものに加えて新たに三種の物質につき報告し、バンド計算との一致が詳細な対称性を含めて議論できることを示した.しかし伝導キャリアの有効質量などは多体効果を考慮しなければならないことがわかった. 2.DMET-TSeF系 有名なTMTSF系の類縁物質であるこの系で磁場誘起状態が存在することを発見したが、その後このグループで常圧下で磁場誘起状態を示す系を新たに見い出した。まだこの物質の研究は完結しておらず、理論的にも、磁場誘起状態の内部構造についての研究が進んでいる磁場誘起スピン密度波状態の研究の場として興味深い。超伝導性も関係している. 3.DCNQI系 上記2つの系とは異り、起伝導性は示さないが伝導にかかわる銅元素の役割が重要であり、XANESの測定により、この系の特徴的な振舞についての情報が得られることを示した.伝導性に多体効果があらわれるという点で1,2と共通の問題があり、最近の重水素化した系の興味深い物性の報告との関連でさらに研究を進める必要がある. 以上の結果は平成4年度にスエーデンで開催された国際学会(ICSM92)や日本で開催された学会(XAFS VII)で報告され、論文として印刷中である.また現在、新たに発見されたDMET-TSeF系についての論文を準備中である.
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