研究課題/領域番号 |
02452048
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
高橋 敏男 東京大学, 物性研究所, 助教授 (20107395)
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研究分担者 |
中谷 信一郎 東京大学, 物性研究所, 助手 (40198122)
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キーワード | 中性子干渉計 / 磁気複屈折 / スピン偏極 / 核散乱振幅 / 磁気散乱振幅 / ホイスラ-合金 / パ-マロイ / シリコン |
研究概要 |
今年度は、原研2号炉のHTー11で干渉計のシステムを立ち上げて以下に述べるような実験を行った。 1)中性子磁気複屈折現象の確認 Siの完全結晶で作られた中性子干渉計に、上流のグラファイト結晶で単色化された中性子を入射させた。干渉計中の光路の一方にAl板を挿入してこれを回転させることによって実効的な厚さを変化させると、二つの光路の間の位相差が変化して透過波及び回折波の強度が振動する。 次に磁気複屈折現象を起こさせるために二つの光路にまたがるように磁性体を挿入した。磁性体には透磁率の高いパ-マロイを使った。干渉計の結晶面と磁性体のなす角度を変化させていくと、ある角度で磁化に平行なスピンの中性子と反平行なスピンの中性子の干渉パタンが打ち消しあって出射ビ-ムの強度が振動しなくなった。これは磁気複屈折現象が起こっている直接的な証拠である。 またこのときのデ-タを解析して、中性子の磁性体に対する核散乱振幅と磁気前方散乱振幅を求めた。得られた結果は理論値とよく一致している。 2)中性子の偏極度の測定 1)で振動曲線の振幅がほぼ0になっているところでは、中性子線の強度は変化しないが、偏極度はAlの回転につれて変化することが理論的に予想される。そこで偏極アナライザ-機能を持つホイスラ-合金結晶で透過波を回折させてからその強度を測定した。そして回折波の強度は全く振動していないのに対してホイスラ-合金で回折された透過波の強度は明らかに振動しているという結果を得た。このことから干渉計から出る中性子の偏極度は連続的に変化していることが判る。この効果を利用すれば新しい偏極中性子発生装置が作れる可能性がある。
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