研究概要 |
交付申請書に述べられているように,これまで固体主として金属や有機化合物(Tissue Equivalent Plastic,Mylar)の精密測定を行い,多くの成果を上げて来た。今回本課題のガスの阻止能の精密測定(1%以下の精度:これは世界的に最とも高い精度のものである)をはじめるにあたり,平成2年度には新しくこの実験に不可欠な測定機器(NIM,エレクトロニクス,精密温度計,精密ガス圧計)を買い求めることができ測定器関係はほゞ完成した。 本年度製作予定のガスチェンバ-は,本年度交付いただいた金額で特註することがとても無理であることが判明した。従って種々の部品を集め,工作して手造りにすることになった。そんなことで充分なガスチェンバ-ができず,現在種々の問題が生じている。それを解決するのは,2つのガスチェンバ-の角度の対称性とチェンバ-の窓から検出器までのガス層の厚さの寸法の性能アップをはからなければならない。従って残然ながら満足できるデ-タが得られていないのが現状である。平成4年度は,上記のガスチェンバ-の性能アップに大きく手を加えなければならないので,今後この費用とO_2,N_2,No,N_2Oのガス購入費が不足することが確実である。それ故に,ガスチェンバ-の改良費として1000千円増額を是非お願いしたい。満足な成果を出すには少々時間を要するが研究期間を延長して当然のことながら,質の高い高精度な実験デ-タを得るよう必死に努力する。
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