研究課題/領域番号 |
02452057
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
近藤 純正 東北大学, 理学部, 教授 (30004493)
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研究分担者 |
山崎 剛 東北大学, 理学部, 助手 (80220317)
桑形 恒男 東北大学, 理学部, 助手 (90195602)
木村 富士男 東北大学, 理学部, 助教授 (10225055)
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キーワード | 複雑地表面 / 熱収支 / 地上風 / 森林 / 積雪面 / 裸地 / 蒸発 / 放射冷却 |
研究概要 |
現実の地表面は複雑で多様な地物が混在している。そのような地表面の複雑多様性は、大気・地表面間のエネルギー交換に大きな影響を与えている。本研究の目的は、複雑多様地表面がエネルギー交換過程に及ぼす効果や種々の地表面の熱収支的な特性を観測およびデータ解析、数値モデルなどによって明らかにし、それらのパラメータ化を行うことである。本年度の研究成果は以下のとおりである。 1.多層キャノピーモデルによって植生と大気のエネルギー交換過程を研究した。キャノピーと地表面を区別したバルク係数を用いるなら、かなりの精度でエネルギー交換量が表現できることが分った。 2.上記の結果を利用し、熱収支的な方法で日本各地の森林からの蒸発散量を計算した。この結果は、水文学的に見積られている森林蒸発散量とよく一致した。 3.森林と積雪が共存する場合の熱収支について研究した。森林がなければ冬期の積雪面は大気を加熱することはできないが、森林があれば最大200Wm^<-2>程度の顕熱が積雪森林域から大気へ輸送される。 4.裸地面が非常に乾燥してくると、表層土壌のかなり厚い層で蒸発が起るようになる。水輸送と水蒸気輸送の両過程をとり入れた土壌面蒸発のモデルをつくった。このモデル計算は実際の野外における蒸発量の日変化をよく説明することができる。 5.赤外放射による大気の冷却を計算するパラメータ化ができた。このパラメータ化と厳密計算の結果を用いた大気境界層の日変化の計算はわずかの差で一致することがわかった。
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