研究概要 |
本研究では地表面のエネルギー交換をパラメータ化する次の研究を行った。(1)裸地面からの蒸発を評価するモデルをつくった。(2)植生地のバルク輸送係数と植生構造の関係をもとめた。(3)植生自体の貯熱を表わすために1次元キャノピーモデルを用いて定式化した。(4)積雪域(植生を含む)における融雪,雪の諸特性の時間変化を計算するモデルをつくった。(5)新しい解析法によって、熱的原因で生じるメソ循環と陸面・大気のエネルギー交換量を広域について調じた。(6)熱収支法によって日本各地の浅い水面と森林からの蒸発量と蒸発散量をもとめた。年平均蒸発量は、北日本の浅い湖では500mm程度、南日本の浅い湖では700mm程度である。森林については北日本では600-700mm,南日本では800-900mmである。 南日本では800-900mmである。本研究により、裸地面については,表層土壌水分が熱収支の重要な支配要素であることが明らかになった。植生地については,植生密度と,個々の葉の運動量と熱・水蒸気交換係数によってバルク輸送係数がきまることが分った。裸地,植生地,積雪域とも実測の熱収支,蒸発量,あるいは融雪量や積雪面温度がモデル計算でよく再現できるようになった。
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