研究概要 |
本年度は、様々な大陸と海洋のコントラストを持つ条件で数値実験を行なった。実験は,大陸の西側に南北に海陸コントラストが存在する場合,大陸の東側に南北に海陸コントラストがある場合,及び,南北の海陸コントラストがなく,東西の海陸のコントラストのみが存在する場合の3つの場合について行なった。 このモデルでは,基本的に東西の海陸コントラストで,太陸の東側,海洋の西側に降水が集中し,モンス-ンの西風は,大陸の東側に吹く(正確には,アルベドとwetnessをそのようになるように選んであるということである)。南北のコントラストを導入すると、それに伴いモンス-ンの雨が引き起こされるが、大陸の西と東とでは異なった反応をするようになることが分かった。 大陸の西側に南北の非対称がある場合(アフリカ型)、その非対称により、モンス-ンが大陸の西側に形成される。一方,大陸の東岸は,それとは関係なく,東西の非対称により降水が存在する。結果として,両者のモンス-ンの西風は連ながってしまう。一方,大陸の東側に南北の非対象を入れると,本来ある東西の非対称に南北の非対称が加わり,強くはなるが,水平スケ-ルとしては,アフリカ型ほど長くはない。 この実験は,北半球の夏の日射の条件で,海面水温は南北対象という条件で行なったので,南北の海陸の非対称による時は、北半球に降水分布は移り,南半球には降水が失いのが常であるが,大陸の東側にある場分は、東西のコントラストにより,南北両半球にわたって降水がみられた。 結論的には,4000km程度の南北の海陸分布の影響は,割合と局所的であり,東西のプラネタリ-スケ-ルの海陸分布が風系を決めていることが分かった。
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