研究分担者 |
石山 大三 秋田大学, 鉱山学部, 講師 (30193361)
水田 敏夫 秋田大学, 鉱山学部, 助教授 (80094051)
林 信太郎 秋田大学, 教育学部, 助教授 (90180968)
佐藤 比呂志 東京大学, 地震研究所, 助手 (00183385)
石川 洋平 秋田大学, 鉱山学部, 教授 (00113887)
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研究概要 |
1.模式地男鹿半島のおける台島層,西黒沢層の層序区分を検討した結果,次の3点が明かとなった.そして,帆掛島石英安山岩の上位にかさなる後述の部層は,海成西黒沢層への移行過程を示す地層とみなして補充調査を行い,台島ー西黒沢期の層序区分を改訂すべきであるとの指針をえた:(1)沿海部に露出する従来の台島層(藤岡,1959)は下位から上位へ,帆掛島石英安山岩,館山崎玄武岩(新称),館山崎緑色凝灰岩(新称),台島層主部の4部層に細分される.(2)帆掛島石英安山岩の分布パタ-ン(藤岡,1959)の特異さは,帆掛島石英安山岩が侵食・破砕された後に出現した起伏面を,館山崎玄武岩以降の部層が埋積したことを表しているものとみなされる.(3)海岸部に露出する玄式岩質噴出岩類のほとんどは館山崎玄武岩に一括され,火砕岩台地の崩壊から館山崎緑色凝灰岩定置までの比較的短期間に形成された. 2.秋田市東方において,台島一西黒沢期砂子淵層の玄武岩類を掘削した孔井(南東から北西へNo.1,No.2,No.3号井)のコアを検討した結果,おおよそ次のことが判明した:(1)模式地付近のNo.1井における砂子淵層のかなりの部分は陸上噴出相からなるが,その北西方においては枕状溶岩やハイアロクラスタイトへと,急激に岩相変化する.(2)No.2井コアとNo.3井コアにおける変質鉱物組み合わせには,第三紀完晶質岩の影響と考えられる大きな違いがある。(3)H_2O(+)に対して,MgO,K_2O,FeOは正の,SiO_2,CaO,Fe_2O_3は負の相関を示し,Al_2O_3,TiO_2は一定である。(4)Cu,ZnはH_2O(+)の増加に伴い,玄武岩質岩石から抽出される傾向を示す.周辺に存在する黒鉱鉱床を形成した鉱化溶液生成過程の一部には,この抽出が寄与しているらしい.
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