研究分担者 |
佐藤 時幸 秋田大学, 鉱山学部, 助教授 (60241668)
水田 敏夫 秋田大学, 鉱山学部, 助教授 (80094051)
林 信太郎 秋田大学, 教育学部, 助教授 (90180968)
佐藤 比呂志 東京大学, 地震研究所, 助手 (00183385)
石川 洋平 秋田大学, 鉱山学部, 教授 (00113887)
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研究概要 |
1.背弧海盆拡大期の玄武岩質火山噴出物の代表例として,砂子淵層の層相解析を行い,Near Yent,FlankおよびDistalの3 facies associationに区分した.砂子淵層の火山作用は乾陸から半深海性の海進にともなう堆積環境下において,多量のマグマ水蒸気爆発起源の火砕物質(アクリーショナリラピリ,アーマードラピリ,スコリアなど)に特徴づけられつつ,当時の汀線付近で継続的に行われたものと考えられる. 2.台島期館山崎玄武岩の形成に至るまでの男鹿半島グリーン・タフ火山岩類の噴出・定置環境の変遷を総括し, (1)門前層・潜岩-加茂溶岩類を形成した火山体は大局的にみて,NNW-SSE方向の長軸をもっていたこと. (2)潮瀬/岬砂礫岩の火砕岩は,本質物の富む帆掛島流紋-石英安山岩部層の“pure"な火砕流を噴出するための火道形成相として位置づけられること. (3)広域火砕岩鍵層・帆掛島部層がつくる起伏面の上位に重なる館山崎玄武岩,館山崎緑色凝灰岩は浅水域〜乾陸に定置したものとみなされること. (4)館山崎玄武岩,畑村層,大仙山層などの玄武岩類と油田系列玄武岩との間には,産状ならびに分布様式において違いがみられることなどを指摘した.そして,館山崎玄武岩や畑村層などの玄武岩類を油田系列玄武岩と区分するために,陸海転換期玄武岩あるいは火山岩と呼ぶことを提唱した. 3.寒河江川流域の野外研究と石灰質ナンノ化石の検討を行い,この地域を特徴づける珪長質火山作用の開始期がNN6/5境界以降であり,この時期に出現したグラーベンないしカルデラ内が火山作用の主舞台となったこと,これらの事象が秋田県南部横手盆地西縁部におけるものと極めて類似していることことなどを明らかにした.そのため,黒鉱火山作用や東北本州弧の発達史などとの関連のもとに,今後も検討を続ける必要が生じた.
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