1.高温高圧下で、石英の粒界移動の研究を行った。メタチャートとカルセドニーの試料を接合させて行ったアニーリング実験では、両者の境界がカルセドニー側に移動しているのが確認された。これは、カルセドニーの細粒石英が消費され、メタチャート中の石英粒子に組み込まれることによって起こっている。粒界移動距離(M)は、アニーリング時間(t)とはM=1.9t^<0.29>という関係あることが明らかになった。粒界移動を引き起こした駆動エネルギーは、カルセドニー中の石英の表面エネルギー(P)である。表面エネルギーと粒界移動速度(V)の間には、V=14(P/3g)^<4.4>という関係があることがわかった。ただしここで、gは単位表面エネルギーである。また、カルセドニー粒径(D)はアニーリング時間とは、D=2.1t^<0.16>という関係にあることがわかった。 2.上記の粒界移動実験を偏圧下で行った。この実験は1回成成した。単なるアニーリング実験と異なっているのは、粒界の形態である。偏圧下での粒界移動は均一に起こらず、結果として、ギザギザした境界が観察された。移動量については、アニーリング実験と同様の結果を得た。また、移動する方向による違いは無いことが確認された。 3.カルセドニーの圧縮実験をおこなった。最大圧縮量として、どのくらいまで実験可能なのかを調ベるベく、従来よりも肉厚のヒーターを使用し、基礎実験を行った。この改良により、60%まで圧縮が可能であることがわかった。 4.メタチャートの褶曲実験をおこなった。十分褶曲を作り出すことが出来ることがわかった。
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