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1990 年度 実績報告書

自然量子井戸構造・層状ペロブスカイト型物質の光物性に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 02452072
研究機関東京大学

研究代表者

伊藤 良一  東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (40133102)

研究分担者 近藤 高志  東京大学, 工学部, 助手 (60205557)
小笠原 長篤  電気通信大学, 電気通信学部, 助教授 (90134486)
五神 真  東京大学, 工学部, 助教授 (70161809)
尾鍋 研太郎  東京大学, 工学部, 助教授 (50204227)
花村 榮一  東京大学, 工学部, 教授 (70013472)
キーワード量子井戸 / 層状物質 / 低次元物質 / ペロブスカイト / 非線形光学 / 構造相転移 / 励起子
研究概要

本年度は、(C_<10>H_<21>NH_3)_2PbI_4(C_<10>PbI_4)について各種の測定を行い、以下の成果を得た。
(1)-40℃〜70℃の範囲でC_<10>PbI_4の結晶構造解析を行い、C_<10>PbI_4の逐次構造相転移のシ-クエンスを初めて明らかにした。第1相(低温相)は空間群P2_1/c、第2相、第3相(室温相)はいずれも空間群Pbcaであった。Pbサイトの局所的な環境はいずれの相でもほとんど変化がみられないが、第2相と第3相の間でPbーIーPbの結合角が大きく不連続に変化していることがわかった。
(2)C_<10>PbI_4の励起子共鳴エネルギ-を、吸収・反射・発光スペクトルから調べた。励起子吸収の位置は、第2相から第3相への相転移に伴って不連続に約0.1eV低エネルギ-側へシフトすることがわかった。このことと、上記の構造に関する知見とから、C_<10>PbI_4の励起子は従来から言われてきたPbの軌道から形成されているとするカチオニック励起子モデルが適当でなく、Iの5p軌道の寄与がかなりあることを示している。
(3)電場変調吸収分光測定を行った結果、室温相では励起子のStarkシフトとブロ-ドニングが起こっていることを確認した。一方、低温相では極めて異常なスペクトルが得られ、現在、原因について検討を行っている。
(4)磁気吸収分光測定を行った。ファラデ-配置では明瞭なZeeman分裂と反磁性シフトが観測されたが、フォ-クト配置では励起子ピ-クに変化はみられなかった。この結果は、本系の励起子が極めて強い2次元的性格を有していることを初めて示したものと考えられる。
(5)YAGレ-ザを光源として第3高調波発生を行い、X^<(3)>〜10^<-10>esuという値を得た。さらに基本波波長を変えて測定を行い、共鳴の効果などについて検討する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] C.Q.Xu,S.Fukuta,H.SaKakura,T.Kondo,R.Ito,Y.Takahashi and K.Kumata: "Anomalous ElectroーAbsorption in the LowーTemperature Phase of (C_<10>H_<21>NH_3)_2PbI_4" Solid State Communications. (1991)

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公開日: 1993-08-11   更新日: 2016-04-21  

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