研究課題/領域番号 |
02452075
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
古川 静二郎 東京工業大学, 大学院総理工, 教授 (60016318)
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研究分担者 |
佐々木 公洋 東京工業大学, 大学院総理工, 助手 (40162359)
石原 宏 東京工業大学精密工学研究所, 教授 (60016657)
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キーワード | イオン注入 / 固相エピタキシャル成長 / SiGe / ヘテロ接合 / ひずみ成長 / 無ひずみ / シリコン系ヘテロ接合 / HBT |
研究概要 |
B,Geを注入量を変えてSi基板にイオン注入し、固相エピタキシャル成長させたSiGeB混晶の格子定数をX線回折ピ-クにより求めたところ、その格子定数はB添加によりSiGe単体の格子定数からSiの格子定数に接近することが観測され、B原子による格子定数可変性が裏づけられた。同時にRBS測定を行いSiGeB混晶の結晶性がB原子導入により改善されることが確認された。またB原子の結合半径として閉殻構造イオン半径を用いることによりGe:B比が20:1のときSiGeB混晶がSiと格子整合することが理論的検討からも示され、実験結果とよい一致を得た。この格子整合条件がほぼ満たされた場合B原子はSiGeB混晶中で4配位結合をし、安定に存在し、かつBの活性化率は向上すると考えられる。そこでホ-ル測定によりキャリア濃度を求め、導入したB原子の4配位結合割合をキャリアの活性化率として評価した結果、B添加量に最適値があることが示され、このB濃度近傍で基板Siと最も格子整合がとれていることが実証された。しかし、SiGeB/Sip^+nヘテロ接合の電気的特性は十分ではなかった。これはイオン注入損傷が600℃の固相成長温度では完全に回復していないためであると予想し、さらに850℃の追加アニ-ルを行った結果、約2桁逆方向リ-ク電流が減少することが確認された。 CVD法によるSiGeの結晶成長(次年度研究計画)を一部開始し、ジシランガスの還元作用によりSi基板表面の自然酸化膜除去が800℃程度の基板か熱で可能であること、Si基板上にSiGe膜がひずみ成長することが分かった。この結果からB添加により無ひずみSiGeB混晶を形成できるものと期待されるので、研究を続ける予定である。
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