研究概要 |
B,Geを注入量を変えてSi基板にイオン注入し、固相エピタキシャル成長させたSiGeB混晶の格子定数をX線回折法により求めたところ、その格子定数はB添加によりSiGe単体の格子定数からSiの格子定数に接近することが観測され、B原子導入による格子定数可変性が裏づけられた。同時にRBS測定を行いSiGeB混晶の結晶性がB原子導入により改善されることが確認された。またB原子の結合半径として閉殻構造イオン半径を用いることによりGe:B比が20:1のときSiGeB混晶がSiと格子整合することが理論的検討からも示され、実験結果とよい一致を得た。その格子整合条件がほぼ満たされた場合、BはSiGeB混晶中で4配位結合しやすくなること、すなわちBのアクセプタ-不純物としての活性化率が上昇することを示した。さらにこの場合、Bの拡散定数が小さくなることが観測され、SiGeB膜の熱的安定性も改善されることを明らかにした。 次にSi_2H_6,GeH_4ガスを用い、熱反応CVD法によるSiGeのエピタキシャル成長を行った。基板温度600℃では結晶性が悪いが、基板温度700℃では、原料ガスの還元作用によると思われる表面クリ-ニング効果により、SiGe膜がエピタキシャル成長するという結果を得た。Ge組成12%で膜厚を変えてSiGe膜を作製しX線回折法により格子定数を測定した結果膜厚が400nmまで歪成長することを明らかにした。またB_2H_4ガスを添加することによりBド-ピングを行った結果、キャリア濃度1×10^<20>cm^<-3>が得られ、高濃度ド-ピングが可能であることが分かり、デバイス応用上有用であることを示した。
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