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1990 年度 実績報告書

価数制御した希土類発光中心による青色発光薄膜エレクトロルミネッセンス素子の研究

研究課題

研究課題/領域番号 02452077
研究機関鳥取大学

研究代表者

小林 洋志  鳥取大学, 工学部, 教授 (40029450)

研究分担者 田中 省作  鳥取大学, 工学部, 教授 (90032284)
キーワード薄膜EL素子 / 青色発光材料 / 希土類発光中心 / 価数制御 / ZnS:Eu / SrS:Eu
研究概要

情報処理機器の表示装置として、液晶、プラズマ、エレクトロルミネッセンス(EL)パネルなどの平面型ディスプレイの研究が進められており、なかでも全固体素子で発光型であるELパネルは優れた表示品位を持つので注目されている。ELパネルのカラ-化には3原色の発光材料が必要である。このうち、緑色(ZnS:Tb)、赤色(ZnS:Sm,CaS:Eu)に発光する高効率なEL材料は見いだされたが、青色に発光する優れたEL材料はいまだ見いだされていない。そこで、Eu^<2+>を発光中心とする青色発光材料の可能性を探った。4f電子殻は半閉殻((4f)^7)あるいは閉殻((4f)^<14>)となる傾向を持つため、Eu^<3+>((4f)^6)は母体格子によっては2価になるという性質がある。この性質に着目して研究を行った。
1.まず、SrS:Eu薄膜EL素子を作製した。SrS母体中のEu発光中心は作成条件によっては2価あるいは3価になることが分かった。とくに発光中心材料としてEuF_3をもちいたときには3価になることを見いだした。しかし、発光色は2価、3価いずれの場合も赤色である。
2.ZnS母体中でも、Euイオンは共付活剤を用いると2価になる場合があると考えられる。このとき、Eu^<2+>イオンの(4f)^6(5d)励起状態は結晶場の強さがSrSとは異なるため、そのエネルギ-位置が高くなり、(4f)^6(5d)ー(4f)^7遷移による発光が青色領域で生じると期待できる。従って、ZnS中のEuイオンの価数を制御できれば、新しい青色発光材料を得ることができる。このような考察により、ZnS:Eu薄膜EL素子をスパッタ法により作製した。還元性をもつ共付活剤をもちいて薄膜を作製したが、明かな2価のEu発光中心の存在を確認するには至らなかった。
さらに、薄膜EL素子の作製条件を最適化し、また種々の共付活剤を添加することによりEu発光中心の価数制御を試みる。また、2価と3価のEu発光中心のEL励起機構の差異についても検討する。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] S.Tanaka: "Stable White SrS:Ce,K,Eu Thin Film EL with Filters for FullーColor Devices" Proc.SID. 31. 25-30 (1990)

  • [文献書誌] H.Kobayashi: "Color Electroluminescent Phosphors Based on RareーEarth Doped AlkalineーSulfides" Acta Polytechnica Scandinavica,Applied Physics Series. No.170. 69-76 (1990)

  • [文献書誌] S.Tanaka: "Annealing Effect on Electroluminescence Characteristics of SrS Thin Film Devices Prepared by Electron Beam Evaporation" Acta Polytechnica Scandinavica,Applied Physics Series. No.170. 211-214 (1990)

  • [文献書誌] H.Kobayashi: "Multicolor Thin Film Electroluminescence Device" Proc.4th Asia Pacific Physics Conference,Seoul,1990.

  • [文献書誌] H.Kobayashi: "High Field Electroluminescence in Mn and RareEarth Doped IIーVI Compound Semiconductors" Proc.1990 Seoul lnt.Symp.on the Physics and Applications,Seoul,1990.

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公開日: 1993-08-11   更新日: 2016-04-21  

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