• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1990 年度 実績報告書

光ヘテロダイン法による液体表面リプロンの超広帯域スペクトロスコピ-

研究課題

研究課題/領域番号 02452082
研究機関東京大学

研究代表者

高木 堅志郎  東京大学, 生産技術研究所, 教授 (90013218)

研究分担者 酒井 啓司  東京大学, 生産技術研究所, 助手 (00215584)
田中 肇  東京大学, 生産技術研究所, 助教授 (60159019)
キーワードリプロン / 光ヘテロダイン分光 / 液体表面物性 / 液体表面単分子膜 / ゲル
研究概要

液体の表面・界面における構造・物性、およびそれに伴う反応性は液体内部とは大きく異なっている。液体表面物性については基礎物性研究の立場からこれまで多くの研究がなされてきた。最近では、LB膜の形成等、液体表面をデバイスとして利用する試みも行なわれ、工学的な見地からも関心が高まっている。しかしながら、液体表面物性を分子のレベルから研究するために必要な、高時間分解能を有する液体表面測定手段はこれまで存在しなかった。本研究は、光散乱法を用いた、高周波液体表面物性の測定手段を開発すること、およびこれを用いて分子レベルからその物性を研究することである。本年度の研究実績の内容を以下にまとめる。
液体表面を伝搬する熱的表面張力波(リプロン)を広帯域で測定することができる広帯域リプロン光散乱法を開発した。光学系の改良などを重ね、現在周波数にして6MHzまでの測定が可能となっている。これは従来の測定域を二桁拡張するものである。
水などの純粋液体について、高周波数域のリプロンを観察した結果、その挙動は古典的な流体力学理論による予想とよく一致し、これらの液体の表面が、10^<-8>秒の時間領域では流体と見なせることを明らかにした。
また、液体表面に展開された単分子膜の高周波力学物性を、広帯域リプロン光散乱によって測定する技術を開発した。ミリスチン酸についての測定の結果、ミリスチン酸単分子膜の表面粘弾性が数100kHz域で異常を示すことが明らかになった。さらにゼラチン水溶液のゾル-ゲル転移前後でリプロンの伝搬を測定した。その結果、一見固体に見えるゲルの表面に表面張力が存在することがわかった。また広帯域リプロン光散乱法が、kHz〜MHz域での粘性測定に有効であることが確認できた。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] K.Sakai,P.ーK.Choi,H.Tanaka and K.Takagi: "Measurement of thermal ripplon on liquid surface by light scattering technique at MHz region" Jpn.J.Appl.Phys.29Sー1. 22-24 (1990)

  • [文献書誌] K.Sakai,P.-K.Choi,H.Tanaka and K.Takagi: "A new light scattering technique for a wideーband ripplon spectroscopy" Rev.Sci.Instrum.(1991)

  • [文献書誌] K.Sakai,H.Tanaka and K.Takagi: "Dispersion of thermal ripplon on free surface of pure liquids measured up to 6MHz" Jpn.J.Appl.Phys.29. L2247-2249 (1990)

  • [文献書誌] K.Sakai,H.Tanaka and K.Takagi: "Wide band spectroscopy of liquid surface ripplon" Proceeding of IEEE Ultrasonic symposium. (1991)

URL: 

公開日: 1993-08-11   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi