研究課題/領域番号 |
02452099
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
村上 澄男 名古屋大学, 工学部, 教授 (10023053)
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研究分担者 |
座古 勝 三重大学, 教育学部, 助教授 (40170831)
田中 英一 名古屋大学, 工学部, 助教授 (00111831)
金川 靖 名古屋大学, 工学部, 助教授 (90023481)
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キーワード | 炭素繊維強化複合材料 / 対称積層構造 / 繊維配向角45° / 損傷力学 / 引張ーねじり複合負荷 / 等寿命曲線 / 引張ーねじりの連成 |
研究概要 |
複合材料が実際に使用される場合多軸応力状態で繰返し荷重を受けるが、多軸疲労寿命を検討した研究はほとんど報告されていないのが現状である。したがって、本研究では、炭素繊維強化複合材料に対して軸力ーねじり組合せ応力の下で疲労試験を行い、組合せ応力比τ/σが疲労寿命に与える影響について検討し、また等寿命曲線に対する破壊基準、疲労破壊におけるねじりと軸力の組合せ効果について考察した。試験片は、軸力繰返し負荷に対して最も顕著な非弾性変形挙動を示す繊維配向角[±45^・]_4とし、8層積層した薄肉円筒型を用いた。疲労試験は、電気ー油圧サ-ボ式・軸力ーねじり複合試験機を用いて行い、負荷条件はねじりによるせん断応力τと試験片軸方向の垂直応力σの比(組合せ応力比)τ/σをパラメ-タとして定めた。 引張・圧縮の軸力繰返し負荷の下では、疲労損傷に伴って縦弾性係数は定常的に低下する安定段階および加速度的に低下する最終段階で特徴づけられる。一方、軸力ーねじり繰返し負荷では縦弾性係数は階段的に低下する傾向を示し、疲労に伴って繊維破断が断続的に発生していることを示している。種々の繊維配向角を持つCFRP積層材の静的破断応力に対してTsaiーWuの破壊基準がよく適合することは既に報告した。種々の応力レベルの軸力ーねじり繰返し負荷を行い、内挿により等寿命曲線を求めた。疲労寿命が短い場合(Nf=10^2、10^3)はTsaiーWuの破壊基準により表し得る。ところが、Nf=10^4および10^5の等寿命曲線は、TsaiーWuの破壊曲線から大きく離れ、τーσ平面上の等寿命線は長方形に近くなる。したがって、組合せ応力状態であってもねじりおよび軸応力(強化繊維方向に対してはそれぞれ垂直応力、せん断応力に対応)は互いに連成せず、それぞれが独立に破壊に関与することを示唆している。
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