研究概要 |
機械加工プロセスにおける形状認識は生産システムの自動化を進める上で重要な研究課題である。すなわち、加工システムは要求精度を満たす形状の生成機能が基本であり、形状精度認識が高度なシステムにおいては要求される。本研究では物体の幾何形状の認識を行うビジョンシステムの研究を目的とする。本年度は、形状認識に関する研究の調査を行い、画像から特徴抽出を基本とする方法、幾何モデルを基準とし、画像情報との同定を基本とする方法があることが分かった。機械加工プロセスにおいては製作すべき製品はあらかじめ。計算機モデルとして与えられている場合が多いため、モデル基準の画像処理との同定を基本とする形状認識が有利であると判断した。モデル基準形状認識問題の基本原理を明らかにするため、計算機空間において、幾何モデルを構築し、カメラモデルにおける2次元画像の生成手順の構築、画像情報と3次元幾何モデルの同定方法として、R.Horaud,M.Fischlerの対応点が4個既知である。P4P問題に限定し、問題が4次方程式に帰着することを明らかにし、4次方程式の解法として、DKA法を導入し、従来用いられていたNewoton法に比較し、確実にまた高速に問題を解くことができることを明らかにした。次年度の予定としては、本年度明かとなった以下の課題を中心に研究を遂行する。モデルベ-ス形状認識問題は幾つかの前提と処理手順が存在する。すなわち、目的とする形状が幾何モデルとして予め知られていることを前提とし、その対象の画像情報から物体の位置・姿勢を求める問題となっている。このためには、幾何モデルと画像の対応点を最初にもとめ、つぎに対応点の観測値から物体の位置姿勢を求める手順となる。形状認識問題はこれらの手順に基づいて解いていかなければならない。従って、幾何モデルと画像情報の対応点関係を求める研究は次年度に行う。
|